5F 研究技術ギャラリー内測定ルーム

ビューティサイエンス
最新情報

このページでは、ファンケル総合研究所 ビューティサイエンス研究センターより
最新の研究データや、皆様の肌へのお役立ち情報を発信していきます。

ファンケルの独自技術ともいうべき無添加。その「ストレスフリー」設計が、肌の老化関連タンパクを調整していることに着目し、開発を進めてきた「角層バイオマーカー技術」は、ひとり一人異なる肌特徴を細胞レベルから解析する技術です。

角層バイオマーカー測定は、4F パーソナルソリューションコースでお受けいただけます。

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vol.10 肌のかゆみはどう治す?

 痛みもかゆみも神経から脳に伝達される身体の防御反応です。 しかし、「痛み」は胃、腸など身体の至る所から瞬時に伝わりますが、「かゆみ」は、皮膚と粘膜の一部にだけ起こり、遅れて脳に到達するという違いがあります。

空気が乾燥して湿度が低下する秋から冬は、皮膚が乾燥しかゆくなるという人が多くなりますが、 かゆみを脳に伝える「信号」の量が乾燥によって増えているからなのです。

かゆみを脳に伝える神経は「C線維」という細い神経です。
C線維の先端は、表皮と真皮の境界部まで伸びているのが通常ですが、乾燥して角層のバリア機能が低下した皮膚では、C線維が表皮まで侵入し角層近くまで達しています。
そのため、乾燥時には弱い刺激でもかゆみを感じやすくなるのです。

かゆみを感じると、皮膚を掻くという行動で、脳は一時的に満足します。
しかし、掻いて皮膚を傷つけることで、角層のバリア性がさらに低下し、ますますC線維の伸長を助ける結果になってしまいます。
すなわち、乾燥からくる皮膚のかゆみの軽減には、角層に伸びたC線維を元通りにしてあげることが必要なのです。

 ファンケルでは、かゆみ神経 C線維の伸長について、順天堂大学医学部 高森建二教授と共同研究を進め、「スキンバリア成分:(ジエチレングリコール/水添ダイマージリノール酸)コポリマー」 に、C線維の伸長を防御する効果を見出しました。

乾燥してかゆみを感じる方に1日2回使用していただき、掻破痕(皮膚に残った掻いた傷)の数を使用前後で比較しました。対照として、ワセリンを塗布する群を比較しました。
その結果、スキンバリア成分を配合したクリームを2週間塗布することで、無塗布部に比べ、有意に掻破痕が減少し、夜かゆくて眠れない、仕事に集中できないといった生活の質(Quality of Life)の改善に効果を示しました。

この研究結果は、学術誌「Journal of Cosmetic Dermatology 」に
「Efficacy of an emollient containing diethylene glycol/dilinoleic acid copolymer for the treatment of dry skin and pruritus in patients with senile xerosis.」
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28371078) として、論文が受理され、掲載されています。

 近年、かゆみとか刺激を感じるという皮膚から脳への働きかけは、心身のストレス状態にも影響を受けることがわかってきています。アトピー性皮膚炎や花粉症など、皮膚疾患の患者様は年々増えていますが、これらの疾患にも生活を取り巻く様々なストレスが関係するとも言われています。
ファンケルでは、健やかな肌で快適な生活を送っていただけるよう、皮膚科の先生方のご協力をいただきながら、これからもますます皮膚科学研究を進めてまいります。