中期経営計画

中期経営計画「前進2023」(2021~2023年度)

株式会社ファンケルは、2021年度を初年度とする「第3期中期経営計画(2021~2023年度)」を策定しましたのでお知らせいたします。

当社グループは、2015年度にスタートした第1期中計「広告先行成長戦略」(2015~2017年度)により、業績のV字回復を果たし、持続的な成長基盤を確立しました。その後、2018年には創業50周年を迎える2030年に目指す姿として「VISION2030」を策定。その実現に向けて、第2期中計「実行2020」(2018~2020年度)では、「収益力の向上および海外事業の本格成長に向けた基盤固めの時期」と位置づけ、取り組んできました。

VISION2030~世界中を、もっと美しく、
ずっと健やかに

そして世界中で愛される会社に~

2030年のファンケルグループは、ベンチャーとして様々な事業領域に挑戦し、
それぞれの事業が、日本にとどまらず広く世界で、より多くのお客様の美しく健康で
豊かな生活を支え、信頼され愛される企業集団となることを目指します。

第3期中期経営計画 「前進2023」 ~逆境を超えて未来へ~

第3期中計(2021~2023年度)は「前進2023」~逆境を超えて未来へ~と銘打ち、7つのチャレンジを掲げました。「実行2020」をさらに発展させ、コロナで生じた新たな「不」の解消を図るとともに、社会環境の変化に即応し、国内外で持続的な成長を全社一丸となって実現してまいります。

大方針:7つのチャレンジ

1.独自価値のある製品づくりと育成

2.ファンケルらしいOMOの推進

3.新しい事業の育成と開発

4.本格的なグローバル化の推進

5.キリングループとのシナジー創出

6.人材育成と人材活用

7.サステナブルな事業推進と永続的なSDGs貢献

1. 事業戦略

化粧品事業

ファンケル化粧品

FANCL

方針
無添加化粧品の「安心」、「安全」という絶対的な価値のもと、効果実感の高い新製品の発売と、肌本来の機能を高める無添加の価値を情報発信し、ブランドの多角化を推進する。

基本戦略
新たなターゲット層の開拓を目的に、ターゲット別にブランド体系を構築し多角化を図る。

The FANCL
  • 基礎スキンケアラインを毎年1ラインずつ刷新し、スキンケアユーザーの拡大を図る。
  • 洗顔カテゴリーを強化して「洗顔市場No.1ブランド」を目指す。
  • 「コアエフェクター」に次ぐ新たな高機能美容液を発売し、美容液ユーザーの拡大を図る。
NEO
  • 「ビューティブーケ」、「AND MIRAI」は、ブランド特性に応じた認知拡大・拡販を図り、育成を強化する。
Prestige
  • 2021年4月に設立した「株式会社ネオエフ」で、2021年度中にファンケルブランドとは切り離した「プレステージ」ブランドを新たに展開する。

海外戦略
ブランド多角化を通じて、アジア地域でのEC展開につなげていく。

アテニア

attenir

方針
「一流ブランドの品質を、1/3価格で提供する」という理念のもと、国内ブランドからグローバルブランドへと進化を図る。

  • 国内は、スキンケアの強化やビューティサプリのリニューアル・ラインアップの拡充などにより、「トータルビューティブランド」としての成長を目指す。
  • 海外は、現地のニーズに合わせた製品を開発するとともに、中国では越境ECに加えて一般貿易販売を開始するほか、その他アジア諸国でも越境ECにより、グローバル展開を本格化する。

ボウシャ

boscia

方針
米国内での「ナショナルブランド化」と欧州・豪州・中国などでの「インターナショナルブランド化」の推進、プレミアムライン発売によるブランド価値向上と売上拡大を目指す。

  • ポストコロナを見据え、Eコマースをさらに強化する。
  • 各国の強い小売との取り組みを強化し、販売エリアの拡大を図る。
  • 化粧品専門店や百貨店向けにプレミアムラインを新設する。

健康食品事業

方針
従来から進める「既存サプリメント事業の強化」、「パーソナル対応」、「食品剤型の展開によるトライアル機会の創出(BtoBビジネス)」という3つの柱のもと、少子高齢化社会とコロナにより生じた新たなニーズに対応し、高収益なビジネスモデルを目指す。

基本戦略
  • 既存サプリメント事業は、社会背景から生まれたニーズに応えるため、機能性表示食品を中心とした製品開発と スター製品の定期的なリニューアルにより、売上拡大を図る。
  • パーソナル対応は、2020年2月に発売した「パーソナルワン」を、「見える化技術」を活かした科学的な裏付けのあるサービスと、幅広い悩みに対応できる豊富な製品ラインアップを強みに、事業の柱に育成する。
  • BtoBビジネスは、キリングループをはじめとした食品メーカーと、「おいしさと健康価値」を兼ね備えた食品を開発し、「ファンケルブランドの浸透」と「サプリメントの潜在的なユーザー」の開拓を目指す。
海外戦略
  • 中国での「越境EC」と、中国で販売許認可を取得した保健食品による「一般貿易販売」で、将来的に中国国内における「海外ブランド売上No.1」を目指す。

2. 販売チャネル戦略

ITを活用して、通販、直営店舗チャネルが持つ強みを融合し、「ファンケルらしいOMO」を創造。「お客様体験価値の最大化」を図る。

通信販売

  • WEB起点の情報発信で、よりスピーディーかつパーソナルなお客様対応を実現する。
  • 新たなお客様接点・体験の場として外部通販を強化する。

直営店舗販売

  • 店舗スタッフによるコミュニケーション・カウンセリングをさらに強化し、上質な接客を実現する。

卸販売

  • 主力製品のマス広告と、小売店のメディアを連動させた販促活動を行い、一店舗あたりの売上最大化を図る。

3. キリングループとのシナジー

  • 「商品開発」、「チャネル・インフラ」の領域でのシナジー創出を目指す。
  • コロナ禍により市場のニーズが高まっている「免疫」などの分野に、キリンの独自素材を活かしたサプリメントの開発・発売を進める。
  • キリンと化粧品素材を共同開発し、化粧品の機能性向上を図る。
  • 「免疫」、「脳機能」、「腸内環境」などの分野での共同研究を推進し、将来の事業成長につなげる。

4. 経営基盤の強化とSDGsの推進

経営基盤

研究
  • 事業戦略の加速と、新たな「不」を解消するソリューション研究を推進
  • キリングループの技術・素材を活用した新製品の開発
製造
  • 供給体制の強化とフレキシブル化
    ‐サプリメント専用の新工場稼働 (静岡県三島市/2021年4月)
    ‐製造リードタイムの短縮とBCP対策による安定供給
ITシステム
  • お客様お一人おひとりに最適なアプローチを実現するIT基幹システム「FIT3」の稼働(2022年春)
物流
  • 徹底した自動化・省人化とお届け日数の短縮・配送費削減
    ‐関西物流センターの稼働 (大阪府門真市/2021年6月)
人材
  • 次世代経営層をはじめとした階層別教育、グローバル教育の強化
  • 人材マネジメントシステムを構築し、経営戦略に合わせた最適な人材配置と従業員エンゲージメントの向上を図る

SDGsの推進

世の中の変化に合わせ、2018年に策定したファンケルグループサステナブル宣言「未来を希望に」のもとに、取り組む優先課題を再整理。3つの重点テーマで推進する。

環境

気候変動への対応と、製品容器のプラスチック削減などの独自性のある取り組みにより、定量目標達成とブランド価値向上を実現する。

  • 2023年度までに製品に使用するパーム油を認証パーム油に100%切り替え
  • 2030年度までに4R※に基づくサステナブルパッケージ100%対応
  • 2050年度までにCO2排出量実質ゼロ

4R:Reduce, Reuse, Recycle+Renewable

健やかな暮らし

ファンケルグループの製品・サービスを通じて、世の中の「不」や社会課題を解決し、持続可能な社会に貢献する。

  • 2030年度までに、健康寿命の延伸と医療費の削減を目的に、日本人の健康食品(サプリメント)使用率50%を目指す(2020年31%)
地域社会と従業員

ファンケルの強みであるダイバーシティ&インクルージョンの推進ならびに、社会活動を通じ、誰もが輝ける社会づくりに貢献する。

  • 2023年度女性管理職比率50%を目指す(2020年度46.5%)
  • 2030年度障がい者雇用率5%を目指す(2020年度3.74%)

5. 株主還元

株主還元は、これまで通り業績動向に応じた利益配分かつ安定的な配当を実施する。

配当

連結配当性向40%程度およびDOE(純資産配当率)5%程度を目途に配当金額を決定

自己株式の取得

設備投資等の資金需要や株価の推移などを勘案し、資本効率の向上も目的として機動的に実施

自己株式の消却

発行株式総数の概ね10%を超える自己株式は消却

6. 数値目標

最終年度である2023年度には連結売上高1,200億円、営業利益150億円の達成を目指します。また、事業毎の収益性・投資効率を意識した経営をさらに推進するため、従来からKPIとして設定しているROE(自己資本利益率)に加え、ROIC(投下資本利益率)を新たにKPIとして導入します。

売上高 営業利益 ROIC ROE
2023年度 計画 (2024年3月期)

1,200億円

150億円

11.0%

12.5%

【参考】 2020年度(2021年3月期)

1,051億円

115億円

10.5%

11.7%

2021年度から「収益認識に関する会計基準」を適用。
2020年度の売上高、営業利益は同基準を適用した場合の試算値。