研究成果

ケール由来のカルシウムは吸収がよい

第29回 日本臨床栄養学会

POINT

  • ■ケール(※1)由来のカルシウムは牛乳と同等以上の吸収率を有することがわかりました。

 カルシウム(Ca)を多く含む食品として牛乳や小魚、緑黄色野菜が知られていますが、その吸収率は食品によって異なります。そこで本研究では、健康な成人男性にご協力いただき、青汁の原料であるケール由来のCa(植物性Ca)を用いて、牛乳や炭酸Ca(※2)とのCa吸収性の違いを比較しました。

 健康な成人男性20名を対象に、それぞれCa300mgを含む(1)炭酸Ca配合飲料、(2)植物性Ca配合飲料、(3)牛乳を飲んで頂き、Ca吸収性の指標となる尿中Ca量(※3)を一定時間ごとに測定しました。

 その結果、経時的なCa吸収性は、植物性Ca>牛乳>炭酸Caの順で高くなりました(図1)。また、各時間の尿中Ca量を合計し、これを炭酸Caと比較すると、植物性Caは炭酸Caに比べ有意に吸収量が増加しました。一方、牛乳においては炭酸Caに比べ、有意な差は認められませんでした。(図2)。

 以上のことから、ケール由来の植物性Caは牛乳と同等以上の吸収率を有することが示され、ケールが優れたCaの供給源であることが実証されました。ケール由来の植物性Caは、吸収阻害物質(たとえばリン酸(※4)、シュウ酸(※5)など)の影響を受けないという特長も有しているため、食事の影響も気にする必要がありません。Ca吸収能が低下しがちな中高年の方に特にオススメです。

用語解説

※1 ケール

キャベツの原種といわれるアブラナ科の野菜。多くの栄養をバランスよく含み、「スーパー野菜」とも呼ばれています。

※2 炭酸Ca

貝殻などに含まれるカルシウムです。

※3 カルシウムの吸収と排泄

Caを摂取した場合、吸収量に応じて尿中Caは変動します。これはCa吸収の指標となります。

※4 リン酸

清涼飲料水や加工食品などに多く含まれます。

※5 シュウ酸

野菜などに多く含まれます。

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