研究成果

化粧品中の防腐剤は皮膚に残り、肌にストレスを与える

IFSCC(※1)2005 in フローレンス中間大会

POINT

  • ■メチルパラベンを配合した化粧品を使い続けると、皮膚中にメチルパラベンが残存することがわかりました。
  • ■微量のメチルパラベンでも皮膚中に蓄積すると、細胞に影響を与えることがわかりました。

 ファンケルでは、創業以来「無添加化粧品」を製造販売してきました。今回、無添加化粧品のよさを科学的に証明することを目的として、一般的に化粧品、医薬品、食品などに広く使われている防腐剤の肌への影響を評価しました。防腐剤として幅広く使われているメチルパラベンを例に研究を行いました。まず、人の腕にメチルパラベンを配合した化粧品を1ヶ月間塗布し、一週間ごとに皮膚中のメチルパラベン量を測定しました。その結果、使用期間が長くなるほど皮膚中のメチルパラベン量は増加し、使用し続ける限り皮膚中に残存することが確認されました(図1)。

 次に、皮膚中に残存すると予想される濃度のメチルパラベンを皮膚細胞(表皮細胞)に与え、その変化を評価しました。その結果、メチルパラベンは細胞の老化によって起こる形態の変化を加速し(図2)、ヒアルロン酸を合成する酵素の遺伝子発現を低下させ、皮膚の老化や角化(※2)に関連するHSP27(※3)やInvolucrin(※4)というタンパク質を増やすことがわかりました。また、さらにメチルパラベンをメラニン産生細胞に与えたところ、メラニンの産生を高めることがわかりました。これらの結果から、メチルパラベンは肌に蓄積し、皮膚細胞の老化や角化に影響を与え、肌ストレスにつながる可能性があることが明らかになりました。

用語解説

※1 IFSCC

International Federation of Societies of Cosmetic Chemists(国際化粧品技術者会連盟)の略。

※2 角化

表皮細胞は、基底層という部分で細胞分裂して生み出され、その形態を変えながら、有棘層、顆粒層となり、最後に角層となってはがれ落ちます。この角層となるまでの過程を角化といいます。

※3 HSP27

Heat Shock Protein 27の略。熱や紫外線などストレスを受けた時に体内の細胞で作られるタンパク質の一種です。

※4 Involucrin

表皮細胞に存在するタンパク質の一種で、細胞の角化の過程で増加します。

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