研究成果

三次元培養皮膚モデルを用いた化粧品成分の評価結果を報告

IFSCC(※1)2006 大阪大会

POINT

  • ■「三次元培養皮膚モデル」(※2)を用いて化粧品成分が皮膚構造に与える影響を評価しました。
  • ■微量の防腐剤でも皮膚に影響を与えることがわかりました。

 「三次元培養皮膚モデル」はヒト皮膚に構造が似ている人工のモデルで、ヒト皮膚の代わりに、化粧品の安全性や有効性の試験に広く使われています。本研究では、この「三次元培養皮膚モデル」を使い、防腐剤を中心に、化粧品成分が皮膚の構造に与える影響を評価しました。

 その結果、比較的高濃度(皮膚モデルを構成する表皮細胞に毒性を示す濃度)の防腐剤を皮膚モデルに7日間添加すると、角層・表皮層が薄く、基底膜が発達していない脆弱な皮膚構造になりました。一方、表皮細胞に毒性を示さない低濃度の防腐剤を皮膚モデルに添加したところ、構造に大きな変化は認められませんでした(図1)。しかし、この皮膚モデルへの影響をさらに詳細に解析したところ、構造に影響を与えないごくわずかな量の防腐剤を処理しても、皮膚の角化(※3)や老化に関連するタンパク質であるHSP27(※4)が増えることがわかりました(図2)。

 この結果から、たとえ微量の防腐剤でも、長期間使用することにより、皮膚の角化や老化に影響を与え、さらには皮膚構造を変化させることが考えられます。

用語解説

※1 IFSCC

International Federation of Societies of Cosmetic Chemists(国際化粧品技術者会連盟)の略。

※2 三次元培養皮膚モデル

皮膚を構成する細胞を培養して作った、三次元構造を有する人工皮膚モデルです。皮膚に対する薬剤の効果や毒性、浸透性などの評価に広く使われています。

※3 角化

表皮細胞は、基底層で細胞分裂して生み出され、その形態を変えながら、有棘層、顆粒層となり、最後に角層となってはがれ落ちます。この角層となるまでの過程を角化といいます。

※4 HSP27

Heat Shock Protein 27の略。熱や紫外線などストレスを受けた時に体内の細胞で作られるタンパク質の一種です。

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