研究成果

7種の有効成分を配合した飲料に皮膚の透明感を改善する作用を確認

へルスサイエンス研究センター 石井 有理

POINT

  • ■シミやくすみが気になる女性が7種の成分を含有する飲料を30日間摂取した結果、皮膚の明度(L*)の改善およびバリア機能(経表皮水分蒸散量)の向上が確認されました。

 加齢とともに増える皮膚の悩みの1つとして、「くすみやシミが原因の透明感のない皮膚」があります。皮膚の表面は半透明の膜である為、くすみ(皮膚色)やシミは皮膚表層部にある「メラニン」と血液中に含まれる「ヘモグロビン」の質と量に大きく左右されます。
 メラニンは紫外線の刺激などによって色素細胞(メラノサイト)で作られる成分で、皮膚を紫外線から防御する重要な役割があります。しかし、過剰に作られたり代謝が滞ったりすると、皮膚に蓄積してシミやくすみの一因となります。一方、ヘモグロビンは血液中の赤血球に含まれ体全体に酸素を運搬する重要な働きがあります。酸素と結合した酸化型ヘモグロビンが多いと血液は赤っぽく、逆に酸素を放出した還元型ヘモグロビンが多いと血液は青っぽくみえます。つまり、体内の血液循環が滞ると酸素を放出した還元型ヘモグロビンが滞留し、皮膚色を暗く見せて透明感が低い皮膚の原因になります。
 そこで、今回、メラニン合成、血流及び皮膚バリア機能に作用する7つの成分(ビタミンC,糖転移ヘスペリジン,アーティチョーク葉抽出物,オリーブ葉抽出物,ナイアシン,L-シスチン及びパイナップル抽出物)を含む飲料を用いて、皮膚色、血流及びバリア機能におよぼす影響を検証しました。

 30歳〜59歳の健康な女性68名(平均年齢43歳)を7種の有効成分を含む飲料を摂取する群(以下、被験飲料群)とこれらの成分を含まない飲料を摂取する群(以下、プラセボ群)に分け、30日間、毎日1本ずつ飲料を摂取して頂きました。摂取の前後で、顔面のL*値※1、Hb index※2、HbSO2 index※3及び経表皮水分蒸散量※4を測定しました。

飲料の摂取前後でL*値は両群とも上昇しましたが、被験飲料群の方がより数値が高く、統計的有意に皮膚の明度が高くなったことが確認されました※図1

 また、被験飲料群ではHb Indexの統計的有意な低下が確認されました※図2。これは、被験飲料の摂取によって停滞していたヘモグロビンの巡りが改善したことを示唆しています。
 さらに、被験食品群ではHbSO2 Indexの上昇がみられ※図3、酸素を多く含む酸化型ヘモグロビンの割合が上昇したことが示された。これらのことから、被験食品の摂取によって血流が改善し、その影響により皮膚の明度が上昇につながったと推察されました。

 また、経表皮水分蒸散量はどちらの群も減少(改善)したが、被験食品群の方がより数値が低下し皮膚からの水分の揮散減少とバリア機能の改善が示唆されました※図4

※図の説明
またはは平均値、エラーバーは標準誤差を示す。“*”は群間比較、“#”は摂取前後の比較において有意差 (P<0.05)があることを示す。

 女性にとって皮膚の衰えは表面的な変化だけではなく、気持ちにも影響を与えQOL(Quality Of Life、生活の質)を低下させる要因にもなり得ることから、本試験で示された被験飲料の有用性は、美容的な観点だけからではなく、女性が快活な生活を送る為の1つのアイテムになり得ると考えます。
本試験の研究結果は、「応用薬理 vol.91 No.3/4 pp.77-84」に発表しました。

用語解説

※1 L*値

皮膚の明度を示し、数値が大きい程、肌色が明るいことを示す。

※2 Hb index

皮膚中のヘモグロビン量の指標であり、数値が大きいとヘモグロビン量が多いことを示す。

※3 HbSO2 index

血液中の酸化型ヘモグロビンの割合を示し、数値が大きいと血中酸素飽和度が高いことを示す。

※4 経表皮水分蒸散量

体内から角層を通じて揮散する水分量を示す.皮膚の重要な機能の一つであるバリア機能を反映する指標として用いられる。

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