研究成果

オリジナル化粧品原料「発芽米発酵液」のアンチエイジング機能を確認

化粧品研究所 繁田 葉子

POINT

  • ■発芽米発酵液には、Ⅰ型コラーゲン産生促進、ヒアルロン酸合成促進機能があることが確認されました。
  • ■目尻にシワを有する21名の女性が発芽米発酵液を配合した化粧液を4週間使用したところ、肌の弾力性の増加、目尻シワ平均深さが減少し、アンチエイジング機能が確認されました。

 ファンケルでは、独自の製造方法で栄養価を高めた発芽米を2000年から研究しています。発芽米にはGABA(ギャバ)や食物繊維が豊富であり、我々は、高血圧の改善やリラックス効果、便通改善、血糖値の上昇抑制作用、血圧低下作用などヒトに対する様々な機能を明らかにしてきました。また、発芽米を摂取することで皮膚のコラーゲン量が増加することも明らかにしました。

 そこで発芽米をスキンケア製品の開発にも活かせるのではと考え「発芽米発酵液」を開発しました。同原料は、発芽米を特殊な酵母「サッカロミセス・ベローナ」で発酵させた原料で、このたび新たな機能としてアンチエイジング機能を確認しました。

 開発した発芽米発酵液にどのような機能があるのかを調べるために、皮膚線維芽細胞※1と表皮角化細胞※2を用いて試験を行いました。培養した皮膚線維芽細胞に発芽米発酵液を添加し、Ⅰ型コラーゲン遺伝子の発現量を測定しました。その結果、何も添加しないコントロールに対して、発芽米発酵液を添加した細胞は、Ⅰ型コラーゲン遺伝子の発現が増加することが分かりました※図1
 また培養した表皮角化細胞に発芽米発酵液を添加し、ヒアルロン酸合成酵素遺伝子発現量を測定しました。その結果同様に、何も添加しないコントロールに対して、発芽米発酵液を添加した細胞では、ヒアルロン酸の合成酵素遺伝子発現が増加することが明らかになりました※図2。 以上のことから発芽米発酵液は、皮膚のコラーゲンと保湿成分であるヒアルロン酸の産生を促す機能があることが分かりました。

※図1  皮膚線維芽細胞の
Ⅰ型コラーゲン遺伝子の発現(コントロールを1とした相対値)
※図2  表皮角化細胞のヒアルロン酸産生遺伝子の発現(コントロールを1とした相対値)

 さらに、発芽米発酵液を配合した化粧液を作成し、40歳から59歳の女性21名(平均年齢50歳)に、半顔の目尻を中心に4週間使用したところ、弾力性の増加※図3、肌の柔らかさの改善傾向※図4と目尻のシワ形成抑制効果※図5 ※図6が確認されました。

※図3  肌の弾力性の変化 
	※図4  肌の柔らかさ変化
※図5  目尻シワの深さの変化
	※図6  目尻シワ改善例

 以上の結果より、発芽米発酵液には、これまでに確認している保湿機能に加え、皮膚のコラーゲンやヒアルロン酸の産生を促すことで、皮膚の弾力性を増加させ、シワの形成を抑制するアンチエイジング機能があることが新たに確認されました。

 本研究成果は、第116回 日本皮膚科学会総会で発表いたしました。
 今後も、発芽米発酵液の機能や効果に関する研究を進め、お客様に効果を実感していただけるエイジングケア製品の応用開発をしてまいります。

用語解説

※1 皮膚線維芽細胞

皮膚の真皮に存在する細胞でコラーゲンやエラスチンなどを産生する働きがある。

※2 表皮角化細胞

皮膚の表皮の最下層で分裂し、次第に上層に移行して角層となる細胞。

参考文献
日本香粧品学会誌、化粧品機能評価法ガイドライン、Vol. 30, No. 4 別冊、2006 December

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