研究成果

コラーゲンペプチドが皮膚に届くことを確認

ヘルスサイエンス研究センター 矢﨑 美里

POINT

  • ■コラーゲンの経口摂取により、コラーゲンペプチドが血液、皮膚に届くことを横浜市立大学との共同研究により確認

 コラーゲンには、美肌効果があると世間的に認識されており、実際に効果実感のお声も数多く寄せられています。しかしながら、経口摂取されたコラーゲンは、全てがアミノ酸へと分解されてしまうために、コラーゲンとしての効果は期待できないのではないかという考えが存在しています。その一方で、最近の研究により、コラーゲンの分解により生じたペプチド※1が、皮膚の細胞に様々な効果を示すことが明らかとなってきました。当社の着目している低分子化コラーゲンは、この機能性が報告されているコラーゲン特有のペプチドを多く含んでいます。
 そこで、コラーゲンの機能性解明の1つとして、当社の着目したコラーゲンは経口摂取後どのような形で吸収されるのか、また吸収したものが皮膚にまで届くのかを研究してきました。

【実験1】
 コラーゲンは、タンパク質の1種であり、タンパク質はアミノ酸が数多く連なった物質です。その数は1000個を超え、分子量は約30万と非常に大きな分子であることが知られています。このままの大きさでは体が吸収できないため、当社の着目したコラーゲンは吸収性の改善と機能性の向上を目的として、より小さく切断しています。
 そこで、実際にこのコラーゲンの大きさを分子量を指標に評価しました。分子量の違いによってタンパク質を分離するゲル濾過クロマトグラフィーと呼ばれる分析方法を用いて、一般的な低分子化コラーゲン(平均分子量4500-5500)とこのコラーゲンの分子量を比較しました。
 その結果、このコラーゲンは一般的な低分子化コラーゲンに比べてその分子量が小さいことと(平均分子量が1500-1800)、トリペプチドを多く含んでいることが分かりました※図1。このことから、一般的な低分子化コラーゲンに比べてこのコラーゲンはよりジペプチド※2やトリペプチド※3が多く、吸収しやすいと言えます。

※図1 分子量の比較

【実験2】
 次にこのコラーゲンがどのような形で吸収されるのか確認するために、コラーゲンを経口摂取した後、血液と皮膚に届いたペプチドを測定いたしました。その結果、コラーゲン摂取により、アミノ酸にまで分解されていない17種類のペプチドが、血液中、さらには皮膚に到達していることを確認いたしました。特に当社の着目しているコラーゲンは、アミノ酸が3つ連なったGly-Pro-Hyp(グリシン-プロリン-ヒドロキシプロリン)という特徴的なトリペプチドを多く含んでおり、血液中さらに皮膚にまでこのトリペプチドが高濃度に届いていることが明らかとなりました※図2。また、Gly-Pro-Hypのみではなく、その分解物であるPro-Hyp(プロリン-ヒドロキシプロリン)としても届いていることも確認いたしました。
 今回の研究成果により、このコラーゲンを経口摂取することにより、特有のペプチドが体内に吸収されるだけでなく、皮膚にまで到達することが確認されました。これらペプチドの機能性については数多く報告されており、コラーゲンを摂取することで、体内で様々な作用を発揮する可能性が期待できます。

※図2 血液、皮膚のペプチド濃度変化

【今後の展望】
 今回の研究によって明らかになった体に届くコラーゲンペプチドの機能性研究に、より一層取り組んでまいります。また、コラーゲンサプリメントの機能として代表的な美容分野に限らず、健康増進を目的とした機能性についても幅広く追及して参ります。

【発表論文】
本研究成果の詳細は、下記雑誌に論文として発表いたしました。
Yazaki, M.; Ito, Y.; Yamada, M.; Goulas, S.; Teramoto, S.; Nakaya, M. A.; Ohno, S.; Yamaguchi, K., Oral Ingestion of Collagen Hydrolysate Leads to the Transportation of Highly Concentrated Gly-Pro-Hyp and Its Hydrolyzed Form of Pro-Hyp into the Bloodstream and Skin. J. Agric. Food Chem. 2017.
URL:http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/acs.jafc.6b05679

用語解説

※1 ペプチド

アミノ酸が複数個連なった物質の総称

※2 ジペプチド

アミノ酸が2個つながった物質の総称

※3 トリペプチド

アミノ酸が3個つながった物質の総称

ページトップへ