研究成果

ケール青汁の長期摂取が児童の健康維持や成長を助ける

ヘルスサイエンス研究センター 垂水 千恵

POINT

  • ■ケールジュースが児童の身体の発育に良い影響を与え、健康維持および成長を助けることをベトナム国立栄養研究所※1との共同研究によるヒト臨床試験で新たに見出しました。

 昨今、発育の重要な時期である幼少期から児童期において、食生活における栄養素の偏り、肥満ややせすぎの増加などが問題となり、生涯にわたる健康への影響が懸念されています。また、特に東アジアでは近視の急増も問題となっています。

 青汁の原料であるケール※写真1は、アブラナ科植物(キャベツの原種)で他の野菜と比較しビタミン類、ミネラルおよび抗酸化成分などの栄養素が豊富に含まれており、その健康効果についてはこれまで数多く報告されています。当社研究所でもケールの機能性において、骨量減少抑制の可能性、膝関節痛の緩和、スギ花粉アレルギー症状、アトピー性皮膚炎の緩和等、報告してきました。イノベーションストーリー「青汁の研究開発」のページをご覧ください。このように、ケールは多岐にわたる機能が期待されます。また、特定の健康悩みを持つ方だけでなく、お子様と一緒に家族でケール青汁を飲んでくださるお客様がたくさんいらっしゃいます。

 そこで、ケールの身体発育や健康効果を検証することを目的とし、ベトナムの小学生にケールのジュースを毎日飲用してもらい、体格や握力、視力、風邪の発症状況を評価する共同研究をベトナム国立栄養研究所 Bui Thi Nhung准教授と行いました。

 ベトナムのハノイ市内小学校に通う健康な小学校2年生~4年生の男女602人を対象に試験を実施しました。試験方法は、ミネラル農法※2で栽培した日本国産ケール生葉120g分を1杯分としたジュース(ケール粉末を砂糖水で調製)を毎日飲むグループ(以下、ケール群)と、ケールのジュースを飲まないグループ(以下、コントロール群)に分かれ、ケール群には食間に約8ヶ月間ジュースを飲み続けてもらいました。その後、身長と体重、握力、視力、上気道感染症(=風邪症候群 以下、風邪と表記)の発症状況を比較しました。

 その結果、コントロール群と比較してケール群で身長0.22 cm(95% CI; 0.09–0.36 cm, p<0.01)※図2、体重0.41 kg (95% CI; 0.15–0.66 kg, p<0.01)、握力 0.48 kgf (95% CI; 0.24–0.72 kgf, p<0.01)、8ヶ月後に有意に上昇しました。また、裸眼視力1.0未満の子どもの割合は、コントロール群と比較してケール群で少ないという結果でした※図3。さらに、調査期間中に風邪を発症した子どもの割合は、コントロール群が75%に対して、ケール群が41%と発症率が低く※図4、風邪の罹病日数※3もコントロール群の6日(95% CI; 6–7)と比較してケール群で5日 (95% CI; 4–5)と、ケール群の方が短いことが確認され※図5、ケールジュースを長期間飲むことによって、風邪にかかりにくく、回復も早いことが分かりました。
 これらの結果から、ケールジュースを習慣的に摂取することは、子どもの身体発育を促し、健康維持に役立つことが期待されます。

※写真1 ケール
※図2 8ヶ月で伸びた身長
※図3 試験後の裸眼視力が1.0未満の子どもの割合(%)
※図4 調査期間中に風邪を発症した子どもの割合(%)
※図5 調査期間中に発症した風邪の最大罹病日数

 本研究成果は第72回日本栄養・食糧学会(於:岡山)にて発表しました。今後もご家族皆様の健康長寿に貢献できるよう、青汁製品の開発、機能性研究を進めてまいります。

用語解説

※1 ベトナム国立栄養研究所

ベトナム保健省(Ministry of Health)の管轄下にあり、栄養学、食品の安全性と衛生管理、ベトナム国民の臨床栄養の分野における研究などをリードする機関

※2 ミネラル農法

毎年の土壌分析をもとに過剰な成分を抑え、足りない成分を補う土壌からこだわった栽培方法

※3 罹病日数

病気のかかりはじめから症状がなくなるまでの日数

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