ファンケルレポート 2021
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不透明な時代だからこそ「変えないこと」、「変えること」を明確にするコロナ禍における環境変化新型コロナウイルスの感染拡大によって、私たちは非常に不安な時代に直面しています。そのことで、生活者の価値観も大きく変化し、製品に対してより安心、安全、信頼できるものを、またそうした製品を継続して購入したいという意識がかつてないほど高まっています。また、外出が制限され、リアルな店舗に出向くことが難しい状況下において、ECの需要が急増し、お客様の購買行動は大きく変化しています。今後、多くの企業がこの変化に対応していかなければならない中、ファンケルは、創業以来、自社で研究開発し製造した製品を、お客様に通販と店舗で販売するD2Cのビジネスを行っています。信頼できる製品を、直接購入できるというお客様の安心感、そして通販という強い販売チャネルを持っていたことで、この環境変化に対して、即応できていると考えています。ただし、まだまだ不透明な状況が続く中、安穏としているわけにはいきません。私は、どのような状況においても、ファンケルがこれまで以上に愛される会社になれるよう、「変えないこと」、「変えること」を明確にして、力強く推進していく考えです。柔軟な考えでお客様の変化に即応する創業理念「正義感を持って世の中の『不』を解消しよう」、経営理念「もっと何かできるはず」、そして、「正直品質。」を体現する製品を、自社で研究開発、製造、販売していくという根幹は変えませんが、それ以外のことはすべて変えていいと従業員に伝えています。コロナによってお客様の生活全体が急速に変化していく中で、従来通りの方法に縛られビジネスをしていては、もはや通用しないと実感しました。こうした考えのもと、今後特に強化していくことは、化粧品事業では、効果実感の高い新製品の発売と、肌本来の機能を高める無添加の価値をしっかりとお客様に伝えていくことです。また、健康食品事業は、少子高齢化社会やコロナ禍において新たに生まれたニーズに対応する製品展開を、海外は、中国サプリメント事業における保健食品の一般貿易販売を本格化させます。販売チャネル面では、通販、店舗を融合して「ファンケルらしいOMO」の構築を目指していきます。以上は、今般発表した新中期経営計画の根幹をなす方針でもあり、これらの実現がさらにファンケルの企業価値を高めると確信しています。売上高営業利益(億円)(億円)2015年度2016年度2017年度2018年度2019年度2020年度2021年度(計画)2023年度(計画)2015年~2017年度第1期中期経営計画「広告先行成長戦略」2018年~2020年度第2期中期経営計画「実行2020」2021年~2023年度第3期中期経営計画「前進2023」■ 売上高 ■ 営業利益 ● ROE1,2001,0008006002502001501005000※ 2021年度から「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を適用。2015~2020年度の売上高は、同基準を適用した場合の試算値。8198699851,1031,1371,0511,0901,2001222841231411151201500.7%7.3%8.5%12.8%15.8%11.7%12.5%09

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