ファンケルレポート 2021
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トップメッセージ第2期中期経営計画「実行2020」の振り返り業績ハイライト第2期中期経営計画は、当初、売上高1,260億円、営業利益126億円を目標にしていましたが、初年度の2018年度にインバウンド需要の急激な拡大により、大幅に業績が伸長したことから、目標を売上高1,400億円、営業利益180億円に上方修正しました。その後、2018年度、2019年度と2期連続で過去最高益を更新し、最終年度に目標達成が射程圏内に入ったタイミングで、今回のパンデミックが発生しました。これにより、2019年度に約140億円あったインバウンド売上が、2020年度にはほぼゼロになり、また、緊急事態宣言により直営店舗の休業を余儀なくされました。マルチチャネルの強みを最大限発揮し、店舗のお客様を通販に積極的に誘導することにより、落ち込みの一部をカバーできましたが、結果として最終年度は、売上高1,149億円(収益認識基準適用:1,051億円)、営業利益115億円と、計画は未達となりました。得られた成果と今後の課題このように定量面では、予期せぬ外部環境によって、悔しい結果となりましたが、定性面ではこの3年間で、中核事業の成長基盤が構築でき、次の成長へとつながる大きな成果がありました。ファンケル化粧品は、新たなヒーローアイテムとなる「ディープクリア 洗顔パウダー」や「コアエフェクター」を上市し、国内のお客様から非常に高い評価をいただくことができました。アテニアは、国内では基礎スキンケアのお客様が大幅に増加しました。また中国向け越境ECもスタートさせ、2020年度は10億円規模の売上を達成しました。今後、中国以外のアジアでも越境ECを順次展開していくほか、中国では2023年度を目途に一般貿易販売を開始する予定です。ボウシャは、今後は米国内で確固たる地位の確立を目指す「ナショナルブランド化」に加え、欧州・アジアといった米国外における販路を拡大する「インターナショナルブランド化」戦略を主軸に、さらなる成長を目指します。成長事業と位置付けるサプリメント事業は、国内では、「内脂サポート」を「カロリミット®」に次ぐ製品に育成することができ、中国サプリメント事業も越境ECを中心に想定以上のスピードで伸長しています。また、将来に向けて、2020年3月に「マイルドクレンジング オイル」の専用工場、2021年4月にサプリメント新工場(三島工場)、2021年6月に関西物流センターを立ち上げました。こうした成果がありつつも、克服するべき課題も見えてきました。その一つが、本格的なグローバル化です。これまで、当社は幸か不幸か国内の事業が盤石かつ、まだ伸びる余地もあるため、他社と比べると本格的なグローバル化が遅れています。10年後、20年後のファンケルの将来を考えると、海外での飛躍は私たちの命題であると強い危機感を持っています。海外事業へ意欲のある従業員を募り、しっかりと支援し、海外人材の育成を進めることで、海外展開の加速を目指します。パンデミックを乗り越え、弱みを克服し、3年後にさらに強くなりたいという思いで、「逆境を超えて未来へ」をスローガンに掲げました10

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