ファンケルレポート 2022
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2021年度評価結果取締役会の運営取締役会の構成取締役会での議論ステークホルダーとのコミュニケーション取締役会でのディスカッション462020年度から、全社的なテーマについて自由に討議する場として「テーマセッション」を設け、社外役員に対して十分な情報提供と説明を行った上で活発な議論を行い、取締役会の活性化につなげています。取締役会の現状を把握し、より実効的な取締役会を運営していくために、2015年度より、毎年、取締役・監査役による取締役会の自己評価を実施しています。執行側から今後の人事戦略立案の最初のステップとして現状の問題点とその要因を共有しました。「女性役職者は部長クラスの増加が限定的である」、「業務が機能別に細分化されており、ジョブローテーションが難しい」、「トップダウンで成長してきたため、個々の考えを会社の力に変える力が弱い」などの説明が行われました。この説明に対し、社外役員からは「女性は昇進に対して男性とは特性が違うことを意識する必要がある」、「ジョブローテーションができないほど機能の細分化はしていない。スピーディに判断しなくてはならない時代に、さまざまな経験を積み、多角的な視野を持つことは重要」といった意見が寄せられました。議論の結果を受け、執行側は「個々が自主性・得意分野を持ち、多様な個性・能力を発揮する」新たな人事戦創業理念、経営理念が根付いていることがファンケルの強みであり、取締役会においても、これらを起点に議論がなされるよう運営されている。議長の采配により開かれた取締役会が運営されており、忌憚なく議論できる環境である。社外役員に発言を積極的に求める雰囲気があり、社外役員として緊張感がある。社外役員からの問題提起に対して、執行側もポジティブに受け止め、経営に反映している。業務執行取締役5名に対し、非業務執行取締役が4名とバランスが取れている。また社外取締役は事業分野の経験、専門分野が異なり、多様性が確保されている。将来的に社外取締役を過半数にすべきという点では一定の議論はあると思うが、現時点ではこの構成で機能しており、実質的なメリットは感じられない。中長期的には、社内からの女性取締役の登用や、海外展開拡大に伴う外国人取締役の登用が課題。「審議・報告事項」および「テーマセッション」の事前説明がきめ細かくなされており、取締役会での議論の充実につながっている。ただし、過度に丁寧になっている部分もあり、今後は効率化することを検討してもよい。その他、海外事業など重要なテーマについては定期的に取り上げ、モニタリングしていくことも一考である。取締役会にて定期的になされるIR部門からの情報共有は的確で充実している。株主・投資家との対話によるネガティブなコメントも積極的に報告されており、非常に良い。業務執行にも反映されている。2022年1月には次世代経営層の育成を図るため、役員・部長職を中心に大規模な組織改正・人事異動を実施したほか、6月から「ファンケル経営スクール」を開始、今後、「女性リーダーシッププログラム」の実施も予定しています。本レポートでは、中期経営計画「前進2023」の成長戦略の一つである「人材育成・人材活用」についての議論の内容およびその後の取り組みについてご紹介します。略を立案し、「女性を含めた次世代経営層の育成に向けた候補者層の育成」、「定期的なジョブローテーションのルール化」、「実行力を高めるための人材育成プログラムの推進」などを行うこととしました。取締役会の模様ガバナンス取締役会の実効性取締役会の実効性評価審議内容 「人材育成と人材活用」について(実施:2021年8月、11月)

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