ファンケルレポート 2022
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48当社の社外取締役・社外監査役(社外役員)は、弁護士、公認会計士、マーケティングの専門家、行政機関のOB、そして私のような企業経営者と多様なスキル・経験を持つ人材によって構成されています。取締役会において社外の役員に期待されることは、執行を担う経営陣の考え方について不足していることを意見する、一種のお目付役のような立場にあると同時に、少数株主を常に意識し、その声を代弁することだと考えています。その役割を果たすためには、執行側から社外役員への情報共有が必要不可欠ですが、その点で、ファンケルは非常によく運営されています。工場や物流センター、研究所の視察や製品説明会など、事業を理解する機会が十分に用意されていますし、議案に関する事前説明は詳細かつ丁寧に実行されています。また、さまざまな視点から検討に時間を要するテーマについては、取締役会とは別にテーマセッションの時間が設けられ、議論を深めています。その上で、取締役会では、議長の島田社長が出席者に発言を促し、自由闊達に議論できるよう進行されており、取締役会の実効性は非常に高いと評価しています。ファンケルでは、「正義感を持って世の中の『不』を解消しよう」という創業理念が社内全員に浸透し、皆が絶えずその実践を求められています。スキル・マトリックスのスキル項目の一番目に「経営理念の理解」が挙げられているのも、そうしたファンケルらしさの表われです。また、役員報酬制度においては、「業績連動付与」の評価基準として財務指標の達成率に加え、「CO2排出量」、「従業員エンゲージメント」、「お取引先様評価」といった非財務指標も取り入れられています。マルチステークホルダーを意識した経営が行われている証左といえます。研究開発力に優れていることも特長です。研究員の数や登録特許数も多く、資本業務提携先のキリンも高略歴1974年、(株)三菱銀行[現(株)三菱UFJ銀行]に入行。国内の銀行業務に加え、12年半にわたる海外駐在では国際金融業務や証券業務にも携わる。ドイツ駐在時にはユーロの決済システムの開発を指揮。その後、国内外の金融、IT等の高い知見や経験を活かし、三菱自動車工業(株)、首都高速道路(株)等、多数の企業経営に携わる。高度なガバナンス体制を構築し企業価値向上につなげる社外取締役メッセージ取締役会の実効性に対する評価社外から見たファンケルの特長橋本圭一郎

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