ファンケルレポート 2023
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CO2排出量の削減においては、2022年4月時点で、生産工場、物流センター、本社など国内12拠点で使用する全電力を再生可能エネルギー由来の電力へと切り替え、計画を大幅に前倒しで達成しました。今後は、スコープ3の算出精度の向上と、CO2排出量削減目標の設定に取り組みます。気候変動対応、人権問題など、私たちが社会から求められるレベルはどんどん高く、広くなっています。当社は2021年5月に、重点課題(マテリアリティ)と、目指すべき定量目標を設定して以来、全従業員の意識が格段に上がり、サステナビリティ推進室が全社を牽引し、アクションプランに沿った取り組みを着実に進めています。また、当社の扱う化粧品や健康食品の容器包装には多くのプラスチックを使用しています。このプラスチック使用量の削減およびリサイクルは、経営の持続性取締役会の実効性は、社外取締役の監督機能向上と議論の活発化により、年々高まっています。2020年度からは、中長期の戦略に関わる重要な項目について議論する「テーマセッション」を実施しています。この会議では、海外戦略、知財、人的資本など多岐にわたるテーマに関して、社外、社内の取締役が自由闊達に議論を展開しています。取り上げた経営課題については、定期的に進捗を報告する仕組みを構築しました。コロナが席巻し、時代が激しく変化してきた3年間、業績は厳しかったものの、この環境の変化を正面から受け止め、立ち止まることなく打開策に挑戦してきた結果、私はファンケルの「真の実力」を磨き上げることができたと思っています。コロナ以前と現在を比べれば、その実力の差は明白です。もちろん、ステークホを担保する上でも非常に重要です。2021年7月から開始した「FANCL リサイクルプログラム」では、2023年3月末時点でほぼ全国の店舗で化粧品容器を回収できる体制を整えました。拡大にあたっては、直営店舗のある各自治体一つひとつと丁寧に対話し、当社の取り組みに共感いただくことで、地域社会との前向きな関係構築にもつながっています。回収した容器は、特例子会社であるファンケルスマイルで分別・洗浄・乾燥を行い、植木鉢にリサイクルして、横浜市が主催するイベントで使っていただくなど、「手作り感」のあるファンケルらしい活動を推進しています。将来的には、プラスチック使用量を削減する新たな包装容器の開発や、ケミカルリサイクルによる化粧品容器の水平リサイクルの実現を目指し、キリングループとも密に連携していく計画です。社外取締役からいただく提言を通して、私たちにとって多くの気づきがあり、非常に勉強になっています。特に、事業の投融資に関しては、厳しい意見をいただいたり、判断を下されることもありますが、ファンケルの将来を真剣に考えた、愛のある叱咤激励であり、大変感謝しています。社外取締役の期待に応えるためにも、引き続き、しっかりと経営に反映させていきます。ルダーの皆様のご期待に十分にお応えしきれていないことは、申し訳ない限りです。しかしながら、今後、事業環境が好転していけば、これまでの逆境で得た実力を存分に発揮し、必ず業績は回復できます。2023年度は、さらに強くなったファンケルの姿をお見せしたいと思います。12CEOメッセージファンケルらしいサステナビリティ活動の推進ガバナンス体制のさらなる強化「ファンケルらしさ」を追求し、未来への転換点に

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