ファンケルレポート 2023
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代表取締役専務執行役員 山口友近プロフィール2003年ファンケル入社。店舗企画部長を経て、執行役員通信販売営業本部長、アテニア取締役を歴任。2016年に取締役常務執行役員、2020年1月に代表取締役専務執行役員に就任し、国内事業の販売チャネルを統括。2022年1月より代表取締役専務執行役員グループ事業担当新規事業本部長に就任。当社は、2000年から約20年間、主力の化粧品事業と健康食品事業に匹敵する新規事業が生まれておらず、空白の期間が続きました。創業者である池森の強いリーダーシップのもと、既存事業の製品の優位性と強固なお客様基盤によって安定した収益が得られたことで、なかなか従業員自ら新規事業を立ち上げるという機運が高まってこなかったことが大きな要因だと思っています。しかし、VUCAと称される不確実性の時代に突入している今、既存の主要事業だけに依存していても、企業として持続的に成長し、私たちの目指す「VISION2030」を実現することはできません。実際にコロナ禍の影響によって既存事業の収益基盤は、かつてほど盤石ではなくなってきており、新たな領域での事業創出にチャレンジすることは不可欠です。そこで、既成概念にとらわれない新規事業を本気で推進するために、2022年1月、新規事業本部を新設しました。いきなり「新規事業を生み出そう」とすると、どうしても難しく考えてしまいます。そこで、まずは凝り固まった頭をほぐす試みとして、すべての従業員が気軽にチャレンジできる「部門横断型アイディアコンテスト」を実施しました。このボトムアップ型のプロジェクトを「部門横断型」とした理由は、普段接する機会の少ない従業員同士で意見交換し、新たな気づきを得てほしいという想いからです。このコンテストでは、予想以上に多くの応募があり、化粧品や健康食品などの既存の領域を超えた幅広い新事業・サービス・製品のアイディアが32件も集まりました。その中から最終審査で選ばれた4チームは、新規事業本部が組織づくり、マイルストーンの設定、リソースの配分などのバックアップを積極的に行い、事業化もしくは新しい領域の製品となりうるかを継続して検討しています。そのうち1つの案件は、新製品として上市に向け進行中です。さらに、このコンテストは、新規事業の創出だけでなく、組織の横の連携も生み始め、既存事業の強化をもたらしています。加えて、外部とのネットワーク開拓に主体的にチャレンジする従業員が現れるなど、人材育成の面においても非常に良い効果がありました。「部門横断型アイディアコンテスト」審査の様子18事業概況と今後の戦略新規事業の必要性「部門横断型アイディアコンテスト」の実施新規事業新規事業に挑戦することで、永続的な成長を目指します

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