ファンケルレポート 2023
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「FIT3」を誰も真似できない唯一無二のシステムにするビジネスモデル株式会社ファンケケル通販営業本部営業企画部デジタタルマーケティングG(キリンホールディングス株式会社より出向)真弓裕貴貴(データサイエンンティスト) そうですね。お客様の分析をさらにレベルアップしていくことは命題です。そのためには、ありとあらゆるデータを「FIT3」にマイニングしなければなりません。その鍵となるのが、感覚的に理解してきた暗黙知を形式知にすること、つまり社内で蓄積されたナレッジをAIが理解できるデータに置き換えていく工程が重要となります。その点、今社内ではデータの重要性をより意識する風土が醸成されつつあり、とても良い傾向だと思っています。 今後、さらにこの気運が高まり、「FIT3」のデータを駆使して行動計画や販売戦略を展開できるようになっていけば、私たちが中期経営計画のチャレンジの一つとして掲げる「ファンケルらしいOMOの推進」は、一層加速していくと思います。 私はこれまでたくさんの企業とお付き合いしてきましたが、複数の販売チャネルのお客様情報が一元化され、蓄積されている企業は本当に珍しいです。そして、ファンケルはこうしたデータを有効活用し、世の中の「不」を解消するという素晴らしい理念のもと、開発、製造、販売を行っています。これは、なかなか他社には真似できないと思います。 ありがとうございます。私は、「FIT3」をさらに磨き上げ、競合他社が追随できない唯一無二の基幹システムにしたいと思っています。その実現に向けて、真弓さんの力は不可欠なので、これからも強力なタッグを組んでいきましょう。長谷川 これまで、お客様の解約の兆しは、社内データを長年扱ってきた私たちでさえ高い精度では把握することができませんでした。「内脂サポート」の定期購入は、登録者数も非常に多いので、この解約防止モデルの効果は、収益にも大きく貢献できます。AIによる予測モデルを構築する部分で、データサイエンティストとしての真弓さんの力は本当に強力でしたね。 こうした成功事例が積み上がれば、他の製品においても同様のモデルの適用が期待できます。長谷川 ファンケルの強みは、長年お客様へ直接販売することで積み上げてきたデータとそれを扱う知見があることです。通信販売と直営店舗の両方を展開し、ともに数百億円レベルの売上を持つ企業は稀です。通信販売と47都道府県すべての直営店舗のデータが常時リアルタイムにつながり、統合される仕組みがあるからこそ、独自性のある様々なデジタルマーケティングが実現できるのです。真弓 さらに、ファンケルは製品を長期間愛用しているお客様が非常に多いですよね。その長期データからお客様の潜在的ニーズを的確につかみ取ることもできると思います。そのため、「FIT3」を通じたお客様の分析を追究していけば、お客様が本当に必要とする情報だけが届くような高度なコミュニケーションも可能になると思います。長谷川 真弓 長谷川 2727イントロダクションサステナビリティデータセクションマネジメントァンケル株式会社ファ通販営業本部部営業企画部長長長谷川敬晃

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