ファンケルレポート 2023
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私から見てファンケルの強みは、大きく二つあります。一つは、「正義感を持って世の中の『不』を解消しよう」という創業理念が、役員はもとより全従業員に深く浸透していることです。世の中が大きく変化する中で発生する新しい「不」に対して敏感に反応し、全従業員がそれに対応する製品・サービスを追求し続けています。こうした経営は、昨今、パーパス経営と言われ、長期的に企業価値を向上させるという検証がなされていますが、創業以来この経営を自然体で実践できている点は、大きな強みです。もう一つは、化粧品と健康食品の二つの領域で、競争力のある素晴らしい製品を持っていることです。加えて、お客様に多くの「ファンケルファン」がいることも特筆すべき点です。ファンケルは、世の中の「不」を解消するために、「無添加化粧品」や「高品質・低価格の健康食品」を開発し、プロダクトアウト型の企業として成長してきましたが、その過程で、お客様に対して、いかに気持ちよく安心して使用してもらえるかを考え、緊密なコミュニケーションを通じて、お客様を本当に大切にしてきたことで、最初は「製品のファン」だったお客様が「会社のファン」になってくださっています。この長年にわたり築き上げられてきたお客様との揺るぎない信頼関係を持つファンケルを私は「顧客のインフラカンパニー」と評しています。このインフラこそが、最高の無形資産であり、あらゆる事業活動を支え、今後の成長の原動力になっていくと考えています。一方で、このお客様基盤の年齢層が少しずつ上がってきていることは課題だと感じています。この先、ファンケルが持続的な成長を続けるには、新しい若い世代のお客様にもどんどん製品・サービスをご利用いただき、ファン層を拡大しなければなりません。そのためには、成功体験や既成概念にとらわれることのない、48社外取締役(独立役員) 松本章社外取締役メッセージ社外取締役として求められていることファンケルの経営陣が、社外取締役の私に期待していることは、二つあると考えています。一つは様々な企業再生のコンサルティング業務に携わってきた経験をもとに、ファンケルの将来の成長に資する戦略や施策の提言をすることです。もう一つは外部から公認会計士としての知見も活用した客観的視点で社内の経営陣に気づきを与えることだと考えています。ファンケルの強みと課題様々な企業再生で培った知見を活かし、ファンケルの新たな挑戦を後押しする

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