ファンケルレポート 2023
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サステナビリティ若い世代の自由な発想が鍵になってきます。これまでは、優秀な経営者がトップダウンで、従業員を引っ張っていく印象が強い会社だったと思います。現経営陣は、これからの若い世代のファン層拡大のためにも、従業員の皆さんが自発的に挑戦し活躍できる環境づくりに力を入れています。今後、自発的な挑戦が実を結び、ボトムアップ型での企業・組織の成長が促されることを期待しています。現在の取締役会は、年々運営方法の改善が進められ、社外の役員も厳しい意見を発言できる自由闊達な雰囲気が醸成され、役員全員の英知を結集できる洗練されたガバナンス体制へ進化しています。また、DXや人的資本の強化など、世の中の大きなトレンドに関して、社外役員が中心となり議論するテーマセッションを行い、経営計画に反映させていることも評価できます。また、2022年度には、次期CEO候補者および次期役員候補者の人材要件を定義するサクセッションプランを明文化しました。十分な議論の結果、人材要件は、創業理念・経営理念を体現でき、ファンケルに深い愛情を持っているなど、独自性のある要件も数多く含まれました。次世代の経営層への期待がひしひしと伝わる内容で、経営の持続性にも大きく寄与すると考えています。ファンケルは、サステナブルな成長を可能とする多くの要素を兼ね備えた企業です。従業員も思いやりや協調性にあふれる、とても良い人たちばかりです。しかし、大きな飛躍を実現するイノベーションを起こすためには、より視野を広げ、社外に目を向けることも重要です。たとえば、感性が全く異なる外部人材を大胆に採用することも面白いと思います。いわゆる組織にこれまでいなかった異分子を入れることで、予期しない化学反応を起こさせることは、発想が硬直化しやすい組織を進化させるかもしれません。同様に、全く異なる業態・文化を持つ他社とのアライアンスにも期待しています。ファンケルには強い製品がたくさんありますので、他社とのコラボ製品などをこれまで以上に展開できれば、そのポテンシャルは計り知れません。もちろん、こうしたアプローチは大きな挑戦を伴いますので、引き続き、私の持っているネットワーク、経験、知見をフル活用して、社外取締役として全力でサポートしていきたいと思います。1994年に(株)住友銀行[現(株)三井住友銀行]入行後、1999年にKPMGセンチュリー監査法人[現有限責任あずさ監査法人]入所。現在は、(株)MIT Corporate Advisory Servicesの代表取締役社長として、数多くの企業再生アドバイザリーを行う。(2003年公認会計士登録)49イントロダクションデータセクションマネジメントビジネスモデルプロフィール洗練されたガバナンス体制への進化最後に

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