秦野：30代の女性に4ヵ月間、その日の気分や肌、睡眠の質、ストレスの状態などについて日誌をつけてもらい、さまざまな肌状態の指標と比較検証を重ねた結果、睡眠の質が、皮脂中の遊離脂肪酸の量に影響を与えていることが分かりました。

一般的に遊離脂肪酸は肌の表面に潤いを与え、肌を保護する役割があるものの、夏場の皮脂の分泌が増えることで遊離脂肪酸の量が増え、肌のバリア機能が乱れて肌あれを引き起こすことが知られていました。しかし睡眠の質がその量に影響していることは知られておらず、新たな発見に「これだ！」と思いました。

そこから肌の状態と睡眠の質に着目した新発想のスキンケアの研究に取り組み、肌の不安定さを未然に防ぎ、コンディションを整える独自機能成分「早摘みグレープフルーツエキス」や、肌のバリア機能に重要な「ヒト型セラミド」をナノサイズのカプセル化を実現させて配合するなど、ファンケルの高い技術力・研究力を結集させることで「トイロ」が完成しました。

秦野：これまでファンケルのスキンケア製品は、無添加の品質を守るための容量30mLが基本でした。しかし今回「トイロ」では処方と容器の研究により、一度にたっぷり使っていただける大容量のサイズを実現。さらに、無添加ならではの高い品質を保ったまま、中身のつめかえも実現しました。つめかえ容器に関しては無添加の品質を守るための工夫として、医療現場で使われるパウチに着想を得て、空気に触れる時間を極力少なくし、無添加の品質を保ったまま化粧液がつめかえできる注ぎ口の形状を採用したんです。

一方、乳液は化粧液と比べて粘度があるため、レフィル形式のつめかえを採用しました。お醤油などで見かける密閉ボトルからアイデアを得て、レフィルの内側に内袋することで、無添加の品質を守っています。中身が減るにつれて内袋が縮んでいくので、ぜひ使い終わったらレフィルをみてください。