阿部：「体力の見える化」はファンケルの主要製品である化粧品や健康食品とは、一見関係がないように見えますが、一人ひとりに合わせた最適な運動強度を可視化することは美と健康の実現に大きく関係し、ひいては創業理念の「不」の解消にもつながります。

体力が衰えているのに無理して運動をしすぎてしまうことや、トレーニングにおけるちょうどいい運動量がわからない、そんな運動にまつわる「不」の解消に取り組んでいきたいと考えています。

阿部：運動量の可視化のためには、血中の二酸化炭素や酸素の濃度を測定することが必要ですが、そのためには大掛かりな機械が必要で、1台設置するのに1,000万円以上もすることから、大きな医療、スポーツ、研究機関でしか利用することができず、日常の健康維持に活用するには程遠い存在でした。手首に巻くだけで運動量が見える化でき、誰もが手軽に健康維持に取り組むことができる技術を開発できれば、健康の維持・増進に貢献することができます。

この開発中のデバイスは、ダイエットや普段の運動の質を高めるだけでなく、運動効率の向上が期待できることから、健康づくり、スポーツ競技力の向上など、さまざまな目的で運動に取り組む方の目標達成に大きく貢献できると考えています。実際に多くの方からも技術の完成を待望しているという、大変うれしいお声をいただいています。このようなお声は開発者として非常にありがたいですし、皆様の健康や目標達成に貢献できることは私の大きな喜びとなり、開発に向けた大きな原動力にもなっていますね。

新しいことを考えるには、頭の柔軟性が大切なため、スタッフミーティングはお菓子を食べながら行なっているんです。お菓子を食べながらリラックスすることで、活発な議論を進めていくための工夫です。ちなみに、現場ではチョコやせんべいが人気です（笑）。