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老化研究の今

老化の概念が変わってきている?

心身の衰えの原因となる「老化」。そのスピードには個人差があることをご存じですか。さまざまな研究の結果、世界中で「老化」の概念が変わりつつあります。

 

・加齢と老化の違い

加齢が誰にでも平等に訪れるのに対し、老化は、その速度に個人差があります。実年齢だけで、人の若さや老化の度合いを測ることはできません。
では、加齢と老化はどう違うのでしょうか。加齢は、人が生まれてから経過した物理的な時間、つまり1年に1歳ずつ歳をとることを指します。一方、老化は、体の機能低下によって起こる衰退を意味します。老化には、人それぞれの細胞、組織、臓器などの老化度合いで決まる「生物学的年齢」という概念が含まれています。生物学的年齢は、生活習慣や健康状態、ストレスといった環境因子の影響を受けるため、実年齢と一致するわけではありません。

・老化の概念が変わってきている

かつて老化は、歳を重ねれば誰にでも当たり前に訪れるものと考えられていました。しかし、年齢の重ね方は変えられる。老化研究の進歩によって、いま、老化の概念が変わってきています。

・12の老化要因

ー 12の老化要因 ー

根本的要因

(老化の直接的な要因)

  • ゲノム不安定性
  • テロメアの短縮
  • エピジェネティックな変化
  • タンパク質恒常性の喪失
  • オートファジーの機能障害

拮抗的要因

(老化の進行を防ぐ、または遅らせる作用を持つ要因)

  • 栄養感知の制御異常
  • ミトコンドリア機能異常
  • 細胞老化

総合的要因

(複数の要因が相互に作用し、
老化の進行に影響する要因)

  • 幹細胞の消耗
  • 細胞間コミュニケーションの変化
  • 慢性炎症
  • 腸内細菌叢の変化

2023年に発表された論文では、老化は、食事や運動不足、睡眠不足、喫煙などの生活習慣、ストレスといった複数の要因が影響しあって生じる12の老化要因によって起こると提唱されています(※3)。具体的な12の老化要因は、上に示した通りです。

12の老化要因の中で、特に注目されているのが「細胞老化」です。老化の制御を目指す近年の研究では、細胞を再活性化させる、老化細胞を除去するといったアプローチの研究が進められています。人生100年時代といわれる中で、若々しく長く健康を維持するための研究への期待はますます高まっていくでしょう。

  • ※1出典: Nat Aging.2021;1(3):295-308.
  • ※2出典: BMJ.2009;339:b5262.
  • ※3出典: Cell.2023;186(2):243-278.

老化細胞ってどんなもの?