Health01もっとも「効率的」に
働かせるための技術開発

体内効率の追求

  • 機能食品研究所小野 衣里日

2016年7月時点

「体内効率」を追求したサプリメント

現代では、体に良いとされる成分を含んだ非常に多くの種類のサプリメントが販売されています。ファンケルでも、少しでもお客様の健康増進に役立てるよう、日々新しい製品の開発を続けています。

たとえ優れた成分であっても、きちんと効率的に働かなければ、その力を発揮することはできません。そこでファンケルでは、吸収されにくい成分をしっかりと「届ける」こと、留まりにくい成分をじっくり「留める」こと、成分の配合バランスでさらに効果を「高める」ことでサプリメントの機能を最大限に発揮させる、「体内効率」を追求したサプリメントの開発を行っています。

それぞれの成分が持つ「不」の部分を解消する

「体に良い成分は、とにかくたくさんの量を摂取することが、もっとも機能的に働く」という、この一般的な考え方に、ファンケルの研究員は疑問を持ちました。サプリメントに使われている成分には、それぞれの特徴があります。一度にたくさんの量を摂取しても、そのほとんどがすぐに体外に排出されてしまうもの。胃酸に弱いため、そのまま摂取しても吸収する場所に届く前に機能が失われてしまう等、機能を発揮しにくい成分は、少なくありません。

しかし、市場に存在するサプリメントの多くは、体に良いとされる成分を混ぜて固めているだけ、あるいはそれらをカプセルに詰めているだけなど、それぞれの成分が持つ欠点を補うような製剤設計を追及しているようなものは、ほぼありません。

ファンケルでは、それぞれの成分が持つ「不」を解消して、もっとも機能的に働く技術を開発することで、お客様に、よりサプリメントの機能を実感していただきたい、そしてやたらとたくさんの量を摂るのではなく、最適な量を安心して摂取いただきたいという想いから、この技術開発に取り組みました。

本当に「生きたビフィズス菌を腸に届ける」技術

腸内環境改善を目的としたビフィズス菌を主成分とするサプリメントは、多くのメーカーから販売されています。そしてそれらのほとんどの製品は、「生きたビフィズス菌が腸に届く」ことを訴求しています。
しかしビフィズス菌は胃酸に弱く、実際に「生きて腸に届ける」ためには、さまざまな工夫が必要なことがわかってきました。ビフィズス菌は、単にカプセルに詰めただけや、そのまま錠剤として固めただけでは、胃酸により死んでしまい、生きたビフィズス菌はほとんど腸に届かないのです。

そこで、ファンケルが開発したビフィズス菌のサプリメントは、胃では溶けない耐酸性のカプセルを使うこと※写真1でビフィズス菌を胃酸から守るとともに、もしカプセルが壊れてしまっても、ビフィズス菌が直接胃酸にさらされないようにつなぎとめる乳タンパク混合物、胃酸の侵入を防ぐ油脂、胃酸を中和する炭酸カルシウムなど、ファンケル独自の「生きたビフィズス菌を胃酸から守る製法」を開発したことで、ビフィズス菌を「本当に」生きたまま腸まで届けることに成功しました。※写真2 ※写真3 ※グラフ1 私たちが開発したこの技術は、特許を出願しています。

「快腸サポート」の体内効率技術1(写真1)

胃で溶けにくい耐酸性カプセル

一般的なカプセルと耐酸性カプセルを人工胃液にさらし中身の保護効果を比較した。

耐酸性カプセルにより菌末はサラサラのまま。

結果

耐酸性カプセルにより菌末が胃酸から守られた!

「快腸サポート」の体内効率技術2(写真2)

胃液を染み込ませない機能

試験管に詰めたビフィズス菌配合粉末に、酸性の人工胃液を染み込ませる。

[一般ビフィズス菌カプセル用処方]

[一般カプセル]
一般ビフィズス菌カプセル用処方⇒胃液が染み込む

[「快腸サポート」処方]

[耐酸性カプセル]

結果

「快腸サポート」処方により胃液の侵入を防いだ!

「快腸サポート」の体内効率技術3(写真3)(グラフ1)

胃酸を中和する機能

試験管に詰めたビフィズス菌配合粉末に、酸性の人工胃液を“強制的に混合”して染み込ませる。

ビフィズス菌生存率の比較

製品を人工胃液にさらした後、製品中のビフィズス菌生存率を比較。一般的な製法で作った製品のビフィズス菌生存率を1とした場合、「生きた菌を胃酸から守る製法」で作った製品の生存率は約3.2倍。

結果

胃酸中和機能によりビフィズス菌が守られた!

ファンケルのサプリメントのすべてが「体内効率」設計思想

サプリメントに使われる成分のすべてには、それぞれに特徴があり、その中には当然、「不」の要素も含まれます。ファンケルでは、お客様が毎日、そして長期間摂取するサプリメントであるからこそ、成分を選ぶ際、安全性への強いこだわりと同時に「不」の部分を解消したいという強いこだわりもあります。ファンケルのすべてのサプリメントには、この「体内効率」設計思想が取り入れられています。同じ成分でも、それの持つ「不」を解消していない製剤では、せっかくの機能が発揮されないからです。そして、独自に製剤設計の研究部門を持ち、日々の製剤研究において、それらを解消する技術を開発し続けているサプリメントメーカーのファンケルだからこそ、これからも、体内効率を設計思想としたサプリメントがもっとも機能的に働く技術開発を続けていきます。