Health06「糖と脂肪の吸収を抑える」
機能性の研究

「カロリミット」の開発

  • ヘルスサイエンス研究センター清水 良樹

2022年8月時点

「食生活をHAPPYに」で打ち出した新たなコンセプト

ダイエットには適度な運動と適切な食生活が必要ですが、お客様の中には極度に「食べたい物を我慢しなければならない」という思い込みが先行し、「つらい」、「我慢が必要」といったネガティブな感情をお持ちの方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。ファンケルでは、このようなお客様の「不」を解消するため、食事に含まれる糖や脂肪の吸収を抑える食品素材の研究からスタートし、食品成分の組合せによる効果の検証を経て、「カロリミット」という商品を生み出しました。「カロリミット」は、「食べたい」という気持ちを我慢せず「食生活をHAPPYに」していただけるよう、「糖と脂肪の吸収を抑える」機能性表示食品としてリニューアルいたしました。

食事の糖と脂肪の吸収を抑える食品成分の研究

食事に含まれる糖と脂肪は、胃や腸といった消化管の中で消化酵素によって分解を受け、その後、体内へ吸収されます。そのため、糖と脂肪の吸収を抑えるためには、①消化酵素の働きを阻害すること、②分解された糖と脂肪の吸収を抑えることの2つの働きを持たせることが重要と考え、食品成分の探索から研究をスタートしました。

その結果見出した機能性関与成分が、ギムネマシルべスタに含まれるギムネマ酸、桑の葉由来イミノシュガー(ファゴミンとして)、エピガロカテキンガレート、キトサン、インゲン豆由来ファセオラミンの5つです。※図1
中でも、ギムネマシルべスタと桑の葉の組合せについては、ファンケルで特許(特許第3302346号)を取得しており、他社には真似できない配合です。

カロリミットに配合している機能性関与成分の作用メカニズム(図1)

機能性関与成分

臨床試験によって「カロリミット」の機能性を検証

多くのいわゆる健康食品にとって、機能性を検証するには大きな困難が伴います。食品は医薬品と異なり、副作用が少ないといわれる反面、機能性に関しても明確な結果が得られないことも多いからです。
ファンケルでは、「カロリミット」の機能性を確認するために、被験者の選定条件や適した試験方法の検討など、多くの課題を解決した上でようやく臨床試験を実施することができました。

その結果、「カロリミット」を摂取することによって、食後血糖値の上昇を抑制する機能を確認することができました。※図2
また同様に、「カロリミット」を摂取することで、食後の血中中性脂肪の上昇も抑制する機能が確認できました。※図3

カロリミット摂取による食後血糖値の上昇抑制作用(図2)

【試験デザイン】

無作為化二重盲検クロスオーバー比較試験

【被験者】

30~59歳の糖尿病でない健常な男女(食後血糖値が高めの方を含む)

【摂取量】

食事の前にカロリミット を4粒/回、またはプラセボを4粒/回を水とともに摂取

【期間】

単回摂取、カロリミット あるいはプラセボを1回目に摂取した後、4日間の間隔を空け、2回目には1回目に摂取していない方の被験食を摂取した

【試験】

カロリミット またはプラセボを摂取した後に、食事(米飯、ふりかけ)を行い、食後120分までの血糖値とインスリン値への影響を調べた

(薬理と治療. 2015;43(6):827-35. より引用)

結果

プラセボを摂取した時に比べ、カロリミットを摂取した時には、食後30分での血糖値の変化量(図2-(1))および食後血糖値の変化量における曲線下面積(AUC:血中の総量の指標)が有意に低下した(図2-(2))

カロリミット摂取による食後血中中性脂肪の上昇抑制作用(図3)

【試験デザイン】

無作為化二重盲検クロスオーバー比較試験

【被験者】

24~64歳の空腹時血中中性脂肪値が正常からやや高め(空腹時血中中性脂肪値102~191mg/dL)の男女

【摂取量】

高脂肪食摂取の前にカロリミットを4粒/回、またはプラセボを4粒/回を水とともに摂取

【期間】

単回摂取、カロリミットあるいはプラセボを1回目に摂取した後、7日間の間隔を空け、2回目には1回目に摂取していない方の被験食を摂取した

【試験】

カロリミットまたはプラセボを摂取した後に、高脂肪食(バター、ラードを溶かしたコーンクリームスープ)を摂取し、食後6時間までの血中中性脂肪値とレムナント様リポ蛋白コレステロール値への影響を調べた

(薬理と治療. 2015;43(9):1329-38. より引用)

結果

プラセボを摂取した時に比べ、カロリミットを摂取した時には、食後2時間および4時間での血中中性脂肪の変化量(図3-(1))および食後血中中性脂肪値の変化量の曲線下面積(AUC:血中の総量の指標)が有意に低下した(図3-(2))

サプリメント形状として初の
「糖と脂肪の吸収を抑える」機能性表示食品

ファンケルでは、2000年から「カロリミット」を発売しておりました。お客様に「カロリミット」の機能性をより一層ご理解いただき、多くのお客様にご愛用いただけるように機能性表示を行うことが好ましいと考え、2016年3月に初めてサプリメント形状の「糖と脂肪の吸収を抑える」機能性表示食品として届出受理されました。
これからも、より多くのお客様に「カロリミット」をご愛用いただき、健康的でHAPPYな食生活にお役立ていただければ幸いです。ファンケルではこれからも研究を続け、よりお客様に継続していただけるサプリメントの研究、機能性表示食品の開発を目指しています。

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