効果を高める技術

無添加アンチストレス研究

洗顔後の肌実感と肌内部のコラーゲン状態との関係性を確認
6年間のビッグデータを解析した新たな知見

POINT

  • お客様カウンセリングによるビッグデータから洗顔後の肌実感と肌内部のコラーゲン状態に関連性があることが確認されました。

当社の旗艦店である「ファンケル 銀座スクエア」では、肌の表面と内部状態を解析できる特殊な装置を用いて、多面的に個々の肌状態を解析し、内外美容のカウンセリングを行っています。2013年10月から2019年9月までの6年間で「ファンケル 銀座スクエア」にて実施しているカウンセリングによるビッグデータからお客様の肌内部のコラーゲン状態と、自身の肌実感との関連性を解析した結果を報告いたします。

<結果概要>

同年代で肌のコラーゲン状態を比較したところ、状態が悪い人ほど洗顔後に肌のつっぱりを多く実感していることが分かりました。さらに、対象の方を5年間の追跡検証をした結果、コラーゲン状態に大きな差が生じることも分かりました。このことは、良いコラーゲンの状態を保つケアを継続して日常的に行うことが、シワの予防につながることを示唆していると考えます。

<解析方法>

調査対象期間 :2013年10月~2019年9月
対象者 :約9,000人(平均年齢約42歳)
アンケート調査項目 :睡眠習慣、食習慣、紫外線ケアの有無、洗顔後の肌状態、メイクのりなど肌測定内容

1) VIVASCOPE1000によるコラーゲン測定
対象者の頬骨から目尻にかけての部位をVIVASCOPE1000で観察し、測定画像を※図1に示す基準に沿ってコラーゲンの状態を「とても良い」から「悪い」の4段階の判定で測定しました。

2) コラーゲンの評価の対象者の選定とアンケート実施
当社では、前述の測定機器によるコラーゲンデータの収集をこれまで行ってきた中で、コラーゲン状態の個人差が 40 代以降で大きく現れることを確認しています※図2。 そこで、今回取得したコラーゲン状態の測定データの中で、40 代前半を対象とし、コラーゲン状態と自身の肌実感の関係性を解析す るため、アンケート形式による問診を実施しました。アンケート項目 は、肌状態に関する項目、スキンケア習慣に関する項目、生活習慣に関する項目各 10 問の計 30 問です。

結果
アンケート項目で、“洗顔後に肌がつっぱる”と 答えた人のうち、※図3に示すコラーゲン状態が「とても良い」は 0%に対して、コラーゲン状態が「悪い」は 62%と、最もコラーゲン状態との関係性が高いことが確認されました。 次に、対象者の 5 年間における追跡検証で、“洗顔後に肌がつっぱる”で「はい」と答えた人を コラーゲン状態に「変化がない人」と「低下した人」に分けて比較した結果、コラーゲンの状態が「低下した人」は、「変化がない人」と比較して、2 倍以上であることが分かりました※図4

以上のことから、40 代からの肌のコラーゲン機能維持には、洗顔後のつっぱり感を感じさせない保湿ケアの必要性が示唆されました。そのためには、保湿力の高い洗顔料や化粧品を継続 的に使用し、保湿性の高いスキンケアを日常的に行うことが重 要であると考えます。

<検証目的>

本検証では、当社が持つ直営店舗のお客様接点の強みを生かした肌状態のビッグデータに着目しました。 コラーゲンの状態を維持するためには、コラーゲンの産生を高める成分などを配合した美容液を使い続ける ことが有用と考えられています。しかし今回、生活やスキンケアの習慣性の違いから、同年代における継続 的なコラーゲン状態の変化を比較することで、新しいアプローチができると考えました。そこで着目したビッグ データの中から、コラーゲンの良好な状態を維持できる方法を探索し、日常的に使用する洗顔料や基礎スキ ンケア、日やけ止めの影響を踏まえた形で検証を行いました。

<本成果の応用>

本成果は、肌深部でハリを保ち、シワの発生を抑制するコラーゲンの状態維持には、保湿性の高い洗顔 料と基礎スキンケアの継続使用が重要であることを示唆しているものと考え、製品開発やサービス提供に応用していきます。