・年齢とともに変わる眠り
- 1. 体内時計の前倒し
- 視床下部にある体内時計の機能低下により、体内時計が早まり、起床や就寝の時間が早まりやすくなります(※3)。
- 2. メラトニン(睡眠ホルモン)の減少
- 加齢に伴いメラトニン分泌が減少し、寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めやすくなったりと、睡眠の質やリズムが乱れやすくなります(※1)。
- 3. 深い睡眠(徐波睡眠)が減る
- 加齢に伴い、深いノンレム睡眠(徐波睡眠)の割合が減り、浅い睡眠が増える傾向があります。その結果、夜中に目覚めやすく、睡眠効率が低下します(※1)(※2)。
- 4. 睡眠効率の低下
- 睡眠効率はとくに50代以降で顕著に低下し、入眠までの時間(入眠潜時)も長くなる傾向や、睡眠の断片化(覚醒や浅い睡眠への移行が増える)が増加します(※1)(※2)。
・睡眠不足が老化を加速させる可能性
- 脳機能の老化
- 睡眠の質が悪い人は、そうでない人に比べて、推定される脳年齢が1.6〜2.6歳ほど高いことが報告されています(※4)。つまり、中年期に質の悪い眠りを続けると、脳の老化が早く進む可能性があるということです。
- 酸化ストレスによる悪循環
- 睡眠不足や不規則な睡眠は酸化ストレスを増加させます。そして、酸化ストレスの増加がさらに睡眠を妨げるという悪循環により、老化の進行を加速させる可能性が報告されています(※1)。
・今日からできる!加齢による睡眠変化への対策
- 1. 毎日同じ時間に寝起きする
- 加齢により、体内時計を調整する力が低下します。 就寝・起床の時間を毎日同じにすることで、乱れがちな体内時計を整える助けになります。 休日も規則正しい生活リズムを心がけましょう。
- 2. 朝の光をしっかり浴びる
- 朝の太陽光は体内時計をリセットするスイッチの役割を果たします。年齢とともに体内時計のリセット機能は弱まるため、意識して朝の光を浴びることが大切です。
- 3. 日中に軽い運動を取り入れる
- 日中の活動量が減ると、夜間の深い睡眠(徐波睡眠)が減少しやすくなります。ウォーキングやストレッチなど軽い運動を習慣にすると、深い眠りをサポートできます。特に夕方の運動は睡眠の質を高めるといわれています。
- 4. 寝る前はリラックスの時間を
- 加齢とともに自律神経のバランスが乱れやすくなり、交感神経(活動モード)が優位になりがちです。その結果、寝つきが悪くなることも。ぬるめのお風呂や深呼吸、読書などで心と体を落ち着けましょう。
- 5. 夜は強い光を避ける
- 「眠りのホルモン」と呼ばれるメラトニンは加齢とともに減少します。夜に強い光を浴びると脳が「まだ昼間」と錯覚してしまい、分泌がさらに抑えられてしまいます。夜はなるべく強い光を避け、間接照明や暖色系のやさしい明かりで穏やかにすごしましょう。
・まとめ
年齢を重ねると、睡眠の質やリズムは少しずつ変化します。こうした変化はある程度自然なものですが、睡眠の乱れが続くと、心身の老化に影響する可能性も指摘されています。毎日の睡眠を少し整えることが、健康的な老化を支える大切な習慣になります。
- ※1 出典:Front Aging 2025 May 21:6:1605070.
- ※2 出典:Neuron. 2017 Apr 5;94(1):19–36.
- ※3 出典:Sleep Med Clin. 2015 Dec;10(4):423-34.
- ※4 出典:Neurology. 2024 Nov 26;103(10):e209988.
