Health05「飲めばわかる!青汁はこんなにスゴイ!」

青汁の研究開発

  • 機能性食品研究所小林 由紀子

2022年8月時点

「青汁」は初めての挑戦

2000年より発売を開始したファンケルの青汁。当時から「青汁」は体に良い物として認知度は高いものの、「まずい」「怪しげ」など、解消すべき「不」のイメージも合わせもっていました。そこで、飲みやすく、安全な原料で安心して購入できる製品づくり、機能性を明らかにしていくことを目的として開発が始まりました。
しかし葉の栽培から扱うことは、ファンケルにとって新しい挑戦。原料の選定から、その栽培、製法の確立や冷凍流通の体制づくりと、発売に至るまでにはさまざまな課題がありましたが、栽培や製造関係者を始めとする多くの方々の協力を得て一つひとつを解決してきました。
そして、15年を超えてご愛飲頂いている製品へと成長していったのです。

さまざまな原料を試し、「ケール」にたどり着く

ケール

青汁を開発するにあたり、まずは原料の選定。さまざまな原料を試しました。時には食べたら口が痺れるという、笑い話のような経験も。
試行錯誤を繰り返し、検討を続けた結果、高い栄養価、長い食経験、強い生命力をもつ「ケール」にたどり着いたのです。

キャベツの原種と言われるケールは、紀元前200年頃から南ヨーロッパで食べられていたと伝えられています。科学的な知見がない時代から、長い間食べ続けられてきたということは、人が体に良いものであると感じていたからであり、安全性の高さもその歴史が立証していると考えられます。
近年には、ケールが属するアブラナ科植物に含有されるグルコシノレートや特定のアミノ酸に、がん予防やコレステロール低下作用が期待できるという研究結果も見られます。そして高い抗酸化力を有し、ポリフェノールやフラボノイドといった「ファイトケミカル」による機能も大いに期待される植物です。
このような背景から、ファンケルではケールに注目し、その有効性に関する研究を続けてきました。

ファンケルの青汁が証明した健康への効果

ファンケルでは、長年の研究の中で、ケールを原料とした青汁の健康に対する数々の効果を証明してきました。その代表的な7つの効果をご紹介します。

  1. 吸収率の高い良質なカルシウムを豊富に含有し、閉経後の女性を対象にした試験でNTX*の低下がみられ「骨量減少を抑える」可能性を確認。※図1

  2. 食後の「血糖値上昇抑制効果」を確認。※図2

  3. 糖脂質やフラボノール配糖体による「メラニン生成抑制」、「アレルギー症状改善」を確認。※図3

  4. 二日酔いや悪酔い改善につながる、「アルコール代謝の促進作用」を確認

  5. ルテインを始めとした抗酸化ビタミンによる「膝関節痛の改善」を確認。※図4

  6. 脳内セロトニン神経活動への影響を確認。うつ病、不眠症、過食症などセロトニンが関与する「脳関連疾患の改善」が期待できる。

  7. 抗酸化成分を多く含み、体の酸化や老化・病気の原因といわれる「活性酸素の除去力」が高い。

*NTXとは?
NTXとは骨代謝を示すマーカーのうち、骨吸収を反映する血液や尿へ出ている物質です。骨代謝マーカーを検査することで骨の代謝状況を評価でき、一般的に骨吸収マーカーが高い場合は骨吸収(骨を壊して吸収する)の亢進状態を表します。NTXが低下したということは、骨代謝回転が穏やかになったことが考えられます。
(閉経後は骨代謝回転が亢進して骨量が減少しやすく、また骨粗鬆症患者では骨代謝マーカーが高値を示すため、薬物治療では骨代謝回転を低下させることが重視されています。)

■臨床データより

世代を超えて愛される、更なる青汁へのこだわり

2000年から販売している冷凍青汁は、今年17年目を迎えたロングセラー商品。そのフレッシュな味わいは、おかげさまで多くのお客様からご支持をいただいています。続けて飲んで欲しいという願いから、本格的な冷凍タイプ以外にも、粉末タイプも開発し、自分に合った製品を選ぶことができるようにしました。また、果汁とのセットなど、小さな子供達からも喜ばれる製品にも取り組んできました。嬉しいお声の数々は、青汁という食品が幅広い世代に受け入れられる可能性をもっている証だと考えています。食は体を作る基礎であり、生活習慣病が気になる中高年はもちろんのこと、全世代の心身の健やかさに影響を及ぼします。今後もケールを使用した製品開発を通じて、老若男女の健やかな生活を支えていければ、と考えています。
また、健康に対して様々な効果を有する「ケール」という植物そのものにも着目し、より健康で質の高いケールの栽培方法も追究しています。

ケール