プラスチック使用量の削減

海洋プラスチックの問題にも対応し、容器等のプラスチック使用量削減に努めます。
4R※1の観点で、製品やサービスのプラスチック削減に取り組みます。

目標

  • プラスチックを使用した
    容器包材における4R※1対応

    2030年度までに100%(2022年度:50.9%)

  • ファンケル化粧品のプラスチックを
    使用した容器のうち、植物由来・再生由来
    プラスチックの使用率

    2030年度までに  30%(2022年度:40.1% 目標達成)

  • 紙を使用した容器包材における
    環境配慮紙※2の採用

    2025年度までに100%(2022年度:85.2%)

  • 1 Reduce(容器プラスチック使用量の削減)・Reuse(容器の再利用)・Recycle(容器回収リサイクル)・Renewable(再生素材または植物素材への切り替え)
  • 2 認証紙、非木材紙、再生紙等
  • 「プラスチックを使用した容器包材における4R対応」「紙を使用した容器包材における環境配慮紙の採用」は、㈱ファンケル、㈱アテニアが対象

容器包装のプラスチック削減 基本方針

ファンケルグループは、脱炭素・循環型社会の実現を目指し、お客様とともに容器包装のプラスチック削減に取り組んでいます。従来より、ReduceやReuseを積極的に推進し、削減の効果を出してきました。
また、製品の特長である「無添加」の品質を守るため、密封容器等にプラスチック素材を採用する際には、Renewableの視点を取り入れることで、環境負荷の低減にできる限り努めています。
2021年度からは、循環型社会へのさらなる貢献を目指し、化粧品容器の回収リサイクルを開始しました。
将来的には、回収した化粧品容器が再び化粧品容器の原料に生まれ変わる「水平リサイクル」の実現に向け、資本業務提携を締結したキリングループと連携を強化し、取り組んでいきます。

取り組み報告

REDUCE(へらす)

容器の軽量化やプラスチックから紙へ素材を変えること等により、プラスチック使用量を削減しています。

マイルドクレンジング オイルのプラスチック容器本体の軽量化

マイルドクレンジング オイル
本体プラスチック使用量

化粧品の「マイルドクレンジング オイル」では、段階的にボトルの軽量化を進め、ボトルのプラスチック使用量を約40%(2004年比)削減しました。

サプリメント包材のプラスチック使用量削減

ファンケルは、アルミパウチ袋を初めて健康食品に採用しました。 健康食品を適正価格で販売する努力を重ねるなかで、製造コスト削減のため、プラスチックボトルの代わりにアルミパウチ袋を採用。2013年にはアルミパウチ袋の厚みを11%薄くし、小袋重量を5%減らすことに成功しました。
同時に、目安量を少なくして包装自体を小型化する取り組みも進めています。
さらに、ガゼット袋(マチ付きのプラスチックの外袋)を採用している製品を環境に配慮した森林認証紙の化粧箱などへの切り替えに積極的に取り組み、2023年度までに対象製品すべての切り替えを目指しています。対象製品の紙化粧箱などへの切り替えによりプラスチック使用量は5.6tの削減ができる見込みです。

卸販売専用プラスチックパッケージを紙素材へ切り替え

ファンケルは、ドラッグストアやコンビニエンスストアなどで卸販売しているスキンケア製品の専用パッケージを2023年3月下旬から順次、従来のプラスチック製から環境に配慮した森林認証紙に切り替えています。対象製品は6品目(全9種類)で、今回の切り替えにより年間のプラスチック使用量は、約92tを削減できる見込みです。

卸販売専用 スキンケア製品の外箱

国内の化粧品業界初!ビール製造時の副産物から化粧品包材を開発
(プラスチック素材からヘミセルロースへの切り替え)

ケースとレフィル
ブリスターケース正面

ファンケルでは、固形ファンデーションなどのコンパクトケースを繰り返し使用する製品には、レフィルを販売してつけかえができるようにしています。
このレフィルはブリスター包装※1を採用し、その材質として、従来はプラスチック(PET)素材を使用していましたが、2022年度に、キリンのパッケージイノベーション研究所と共同で、「キリン一番搾り生ビール」の製造工程で発生する副産物であるビール仕込粕から抽出したヘミセルロース※2を用いたシートの開発。植物由来のレフィル用ブリスター包装の製品化につなげました。
今回の切り替えにより、年間のプラスチック使用量を1.6t削減できる見込みです。

  1. ブリスター包装 : 加熱して柔らかくしたシートを金型に合わせ、変形させる製造方法で生産された包装のこと
  2. ヘミセルロース: 植物細胞壁に含まれるセルロースを除く、水に対して不溶性の多糖類の総称

REUSE(つめかえ)

製品の品質を保ちつつ、環境に配慮したつめかえタイプを販売しています。

ファンケル化粧品のつめかえ容器

つめかえ用パッケージの採用により、ボトルタイプと比較してプラスチック使用量を大幅に削減。プラスチックごみの廃棄量削減に貢献しています。
ファンケル化粧品のスペシャルケアアイテムでも無添加品質を保ったまま、レフィル化を実現。プラスチック削減に貢献しています。

アテニアのつめかえ容器(エコパック)

アテニアは、「容器を毎回捨てるのはもったない」というお客様の声をきっかけに、1995年からエコパックの商品化に取り組んでいます。
スキンケア商品では、エコパック専用ホルダーやワンタッチでつめかえができる商品もラインナップしており、レフィル製品「スキンクリア クレンズ オイル<エコパック>」では、ボトルタイプに比べて樹脂量を約85%削減することに成功しました。
2023年3月新発売した「ブライトインセプション」は、レフィル仕様の容器を採用しプラスチック量を63%削減できるうえ、簡単に着脱でき、最後までしっかり使い切れる仕様に進化しました。

「ホワイトジェネシス」と新レフィルとの比較

RECYCLE(資源にする)

使用済み化粧品容器を回収・リサイクルしています。

容器回収リサイクル「FANCL リサイクルプログラム」

「FANCL リサイクルプログラム」は、お客様が使用済みの化粧品容器を全国の店舗で回収し、特例子会社のファンケルスマイル※1で容器の分別・洗浄・乾燥・粉砕を行った後、協力先のリサイクル会社で、マテリアルリサイクルという技術により植木鉢にリサイクルする取り組みです。植木鉢は、ファンケル本社がある横浜市に寄贈し、花と緑のイベント「ガーデンネックレス横浜」での活用や市内の小学校での環境教育など、地域の皆様に役立てられています。
2021年7月に6店舗でスタートしたこの取り組みは、直営店舗がある各自治体へ導入の相談を重ねることで全国へ拡大しました。
環境負荷低減・ダイバーシティ&インクルージョン(障がい者の活躍)・地域貢献という3つの要素を持つファンケル独自のリサイクルを積極的に推進し、多くのお客様とともに循環型社会に貢献していきます。
今後は、新たなチャレンジとして、資本業務提携を結んでいるキリングループと連携し、使用済みの化粧品容器をケミカルリサイクル技術により再び化粧品容器に生まれ変わらせる「水平リサイクル」の実現を目指します。

  1. 株式会社ファンケルスマイル:1999年に設立した障害のある方の自立支援を目的に設立した特例子会社

「FANCL リサイクルプログラム」特設サイトはこちら

RENEWABLE(代替素材をつかう)

植物由来、再生由来プラスチック等の環境負荷の小さい素材を採用しています。

国内業界初!「ペットボトルキャップ」の再利用
(ペットボトルのキャップ由来の再生プラスチックを採用)

「ペットボトルキャップ」の再利用

ファンケルグループは、2019年にキリングループと資本業務提携を行い、さまざまな共同開発を進めています。
「スキンクリア クレンズ オイル<エコパック>」容器のポリエチレン製スパウト部に、ペットボトルのキャップに由来する再生樹脂を採用したことも、そのひとつ。国内で初めて、同素材を化粧品容器に採用しました。
これにより、キリンビバレッジはペットボトルキャップの約3~4割を再利用することができ、廃棄物による環境負荷低減に成功しました。
またアテニアでは、再生樹脂の採用により、従来本製品に使用していたプラスチック量の約40%を削減しました。

ケミカルリサイクルによる再生プラスチックの採用

ファンケル化粧品のPET容器(本体容器のボトル)を2023年3月末までにケミカルリサイクルPET100%素材に切り替えました。(一部製品を除く)
また、基礎化粧品のキャップ・ポンプ(PP・PE)にも、再生由来・植物由来のプラスチックを採用しております。
これらにより、大幅にCO2排出量を削減しています。

植物由来プラスチックの採用

主力製品の洗顔パウダーボトルやベビーケアラインの全身泡ウォッシュ、ベビーミルクなどを100%植物由来プラスチックに切り替えを完了しました。
また、アテニアにおいて、2023年2月に発売したヘアケア製品「サロンプレミアム スカルプ&ボリューム」の容器には、さとうきびを原料とする植物由来プラスチックを採用しました。

製品に使用する容器包材以外にも、環境配慮紙を採用

ファンケルグループでは、森林保全の観点から、製品に使用する容器包材は2025年度までに環境配慮紙※1
100%採用を目指しています。
さらに情報誌・通信販売の輸送箱には森林認証紙を採用し、各種印刷物、販促資材においても積極的に環境配慮紙を採用しています。
ファンケル全直営店舗では、2023年4月から、サーキュラーエコノミー(循環型経済)※2モデルを採用した紙袋を使用。この取り組みは、化粧品業界初※3の試みです。

  1. 認証紙、非材木紙、再生紙等
  2. サーキュラーエコノミー(循環型経済)とは、従来の経済活動では廃棄されていた製品や原材料などを「資源」と捉え、リサイクルや再利用などで活用して資源を循環させるという経済システム
  3. ファンケル調べ
ファンケル直営店舗の紙袋はサーキュラーエコノミーモデル採用(古紙100%)

マイクロプラスチックビーズへの対応

化粧品の原料において、プラスチック問題に配慮した商品開発を行なっています。
ファンケル・アテニアでは、洗い流し化粧品に「マイクロプラスチックビーズ」を使用していません。
肌の汚れや古い角層を除去するスクラブ剤の一種である「マイクロプラスチックビーズ」に関しては、近年、国内外で環境への影響が懸念されており、世界各国で使用に関する規制が進んでいます。
ファンケルグループでは、今後も環境に配慮した商品づくりを進めていきます。

サステナビリティ