水資源の有効活用

水使用量の削減と有効活用に努め、限りある水資源の保全に取り組んでいます。

取り組み報告

水資源の循環と使用量削減

ファンケルグループでは年間10万立方メートルを超える水を使用しており、そのうちの約3/4が製造拠点での使用です。この水は国内の河川などから取水された公共上水道から調達しています。
製造拠点では水道水をろ過して、不純物を除去した純水を化粧品の原料に利用しています。また、化粧品製造の過程では、加熱した原料を冷却する際にも水を使用しますが、熱を吸収した水はチラーと呼ばれる装置で温度を下げ、再び冷却水として循環させています。製造終了後の設備の洗浄にも水を利用しています。
主力商品「マイルドクレンジング オイル」は、生産時に多くの水を必要としますが、生産拠点を千葉工場に集約させたことで水資源の使用量削減効果が得られています。また生産効率の向上にもつながり、CO2排出量の削減にも貢献しています。
長野工場では、玄米を発芽させて「発芽米」を製造する際に、水使用量を削減する工夫が施されています。発芽工程では水をシャワーで滴下し、循環させる方法によって、少ない量の水でも発芽が進むようにしています。
発芽工程後の養分を含んだ水は、農業や園芸用水として再利用しています。

「見えない水」の削減

サプリメントに使われているハードタイプのカプセルには、かつてはウシ由来のゼラチンカプセルが主に使用されていました。ウシの飼育には、エサとなる穀物の生育に大量の水が必要です。牛肉1kgの生産には、トウモロコシ1kgの生産に必要な灌漑用水1,800リットルの約2万倍※1もの膨大な水量が必要とされており、全世界の淡水資源の1/3が畜産に消費されているともいわれています。
また、途上国を中心に増え続ける人口によって多くの人口が水不足の状況にあり、2050年には世界人口の40%以上が深刻な水不足に見舞われる※2という予測もされています。
世界的には水不足と言われる中で、ファンケルはトウモロコシ由来のデンプンから作られたハードカプセルを使用し、直接的に使う水以外の「見えない水」の削減にも取り組んでいます。

  1. 出典:環境省virtual water
  2. 出典:国土交通省 水資源
トウモロコシ由来のハードカプセル

水源涵養林保全活動の支援

株式会社ファンケルの本社所在地、横浜市の水源地である山梨県道志村は自然の豊かな山間地域で、道志山塊と丹沢山地北西部を水源とする道志川は、やがて神奈川県に入り相模川水系となって、神奈川県の主要水道水として利用されています。
道志村は緑のダムと言われる山林に囲まれていますが、スギやヒノキなどの人工林は間伐などの手入れが必要で、放置されるとやがて森林密度が高くなりすぎ、日光がさえぎられることで下草が生えなくなります。こうなると緑のダムは水をためる力を失い、豪雨などで土砂が流れ出して荒廃していきます。ファンケルは2009年度より、横浜市水道局が推進している「水源エコプロジェクトW-eco・p(ウィコップ)」に参画し、横浜市所在の協賛企業と共に道志村の水源涵養林の保全活動を支援しています。

サステナビリティ