何気ない感動をずっと。FANCL

持続可能な生物資源の利用

企業活動における生物多様性への影響を認識し、その保全に努め、持続可能な生物資源の利用を推進します。

目標

  • 持続可能なパーム油の調達

    2027年度までに100%維持2024年度:100%(RSPOマスバランス85.4%、RSPOブック&クレーム14.6%)

  • (株)ファンケル、(株)アテニアの化粧品、健康食品が対象

生物多様性の関心の高まりと重要性

最新の「グローバルリスク報告書」※1では、今後10年間に起こるグローバルリスクの上位に気候変動リスクと並び生物多様性の喪失に関する項目が挙げられ、経済活動にとっても大きなリスク要因となることが示唆されました。また、国連生物多様性条約においては「ネイチャーポジティブ」※2が制定され、生物多様性に対する重要性の認識が急速に広がっています。
ファンケルグループの事業においても、製品の多くの原材料が、生物多様性に支えられている重要性を強く認識し、持続可能な原材料への切り替えに積極的な取り組みを続けています。特に生物多様性への影響が大きい原材料については定量目標を定めて、しっかりと管理しています。

  1. 出所:世界経済フォーラム「グローバルリスク報告書2024年版」今後10年間に起こるグローバルリスク「第3位 生物多様性の喪失と生態系の崩壊」「第4位 天然資源不足」
  2. 「ネイチャーポジティブ」とは「国連生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)」(2022年12月)において採択された「昆明・モントリオール生物多様性枠組」の2030年ミッションで、生物多様性の喪失を止め、反転させる取り組みの世界目標です。

取り組み報告

持続可能なパーム油の調達

パーム油は熱帯地域で栽培されるアブラヤシから得られる植物油です。主要な生産地であるマレーシアやインドネシアでは農場開発に伴う熱帯林の大規模な伐採や農場労働者の人権に関する課題が問題視されています。
ファンケルの主力製品である「マイルドクレンジング オイル」等にもパーム油を使用していることから、持続可能なパーム油の調達を目標に掲げ、RSPO※1やJaSPON※2に加盟しメンバーシップで取り組んでいます。

ファンケルグループでは、化粧品、健康食品に使用しているパーム由来原料をRSPOマスバランス方式、およびRSPOブック&クレーム方式で対応しています。さらに、物理的な認証油であるRSPOマスバランス方式の比率を高めていく方針のもと、自社工場(千葉工場、群馬工場、滋賀工場)のRSPOサプライチェーン認証を取得し、2024年はマスバランス85.4%、ブック&クレーム14.6%で持続可能なパーム油の調達100%を達成しています。今後も、マスバランスのパーム油への切り替えを順次進め、持続可能なパーム油の調達100%を維持します。

  1. Roundtable on Sustainable Palm Oil(持続可能なパーム油のための円卓会議)
  2. Japan Sustainable Palm Oil Network(持続可能なパーム油ネットワーク)

関連情報

環境配慮紙の採用

化粧品と健康食品の容器包材について、積極的に環境配慮紙の採用を進めています。
ファンケルの製品においては、環境配慮紙採用率100%を達成しました。アテニアの製品においては、2024年度、トータルリヴァイタライズマスク、陽断(ひだん)UV35 フェイスプロテクトミルク、陽断(ひだん)UV35 ブライトニングパールを環境配慮紙の化粧箱に切り替えました。引き続き、採用率100%を目指して着実に進捗させていきます。

青汁のリサイクル

青汁の原料である「ケール」は、愛媛県西予市の青汁工場で製造しています。ケールは、製造過程で多量のしぼりかすが出てしまうことが課題でした。そこで、酪農が盛んな地域性を生かし、しぼりかすを牛のエサにするための研究を開始しました。2年に及ぶ試行錯誤の末、優良な牛のエサとして活用が可能になりました。同時に、青汁のしぼりかすを食べた牛のフンは畑の肥料になり、これを養分に栄養豊富なケールが育ち、再び青汁製品に加工する完全リサイクルを実現。愛媛県の「資源循環優良モデル」に認定されました。

新・青汁リサイクル図
「ケールしぼりかす」の循環図

サステナビリティ